実光院(じっこういん)は、京都市左京区大原にある天台宗・勝林院(しょうりんいん)の塔頭寺院です。

天台宗の本山・比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)のお膝元である大原の地は、「魚山声明(ぎょざんしょうみょう)」という天台宗には欠かせない仏教声楽の聖地。

そのため昔から声明(しょうみょう)を修行するための僧房がこの地には沢山あり、この実光院もそんな天台宗の僧房の一つです。

そんな実光院の見どころは、「雄大な大原三山を一望できる庭園」!

京都北部の大自然に囲まれたこの地において、麓を見渡す斜面に位置するこのお寺の庭園からは、大原随一の景色を拝むことができるんです!

今回はそんな実光院を訪れてみました。


実光院の歴史

では、まずはじめに実光院の「歴史」「訪問する際に知っておきたいポイント」を一緒に見て行きましょう!


実光院-寺名を刻んだ石碑
実光院-寺名を刻んだ石碑

実光院は平安時代後期の1013年ごろ、天台宗の僧・寂源(じゃくげん)により勝林院(しょうりんいん)の子院として建立されたと伝わります。

(勝林院には、過去に「普賢院」「理覚院」「宝泉院」そしてこの「実光院」という合計4つの子院がありましたが、現存するのはこの「実光院」と「宝泉院」のみです。)

しかし比叡山延暦寺に生じた「山門派」と「寺門派」の派閥抗争、いわゆる山門寺門の抗争(さんもんじもんのこうそう)に巻き込まれ、勝林院と共にお寺は荒廃しちゃいます。


三千院近くの大原陵
後鳥羽/順徳天皇の陵墓「大原陵」

お寺が復興を遂げるのは、荒廃から約300年が経過したころ。

室町時代の応永年間(1394-1428)、宗信法印(そうしんほういん)の尽力により現在お寺の向かいにある後鳥羽天皇(ごとばてんのう)順徳天皇(じゅんとくてんのう)の陵墓・大原陵(おおはらのみささぎ)がある場所に復興を果たしました。

なぜ天皇の陵墓があるこの地に復興したの?

それは、この僧房には後鳥羽/順徳両天皇の遺骨が分骨されていたから。

じゃぁ、なぜ天皇の遺骨がこのお寺に分骨されてたの?

それは、ここが後鳥羽天皇の第10皇子であり出家して天台座主(てんだいざす)にまで上り詰めた尊快法親王(そんかいほうしんのう)ゆかりの僧房だったから。

敬愛する父の遺骨を、自分の手が届く場所で供養したかったんでしょうね。えぇ話や・・・。


実光院-山門に掲げられた扁額
実光院-山門に掲げられた扁額

じゃぁ、なぜ今の場所に引っ越したの?

それは、大正時代の1919年に当時の宮内省(くないしょう)の命令があったから!です。

宮内省の主な仕事の一つは、天皇家の財産管理。

宮内省「権威ある天皇の遺骨やお墓の管理は、国の仕事なんどす!」

宮内省「てことでここは国が管理するから、お寺は近くに引っ越しなはれや。」

という理由で、お寺とは別に「大原陵(おおはらのみささぎ)」を建立して宮内省の管轄としたという訳なんです。

明治時代の神仏分離(しんぶつぶんり)もそうですが、昔から寺社仏閣と政治には色んな駆け引きがあったんですね。

大人の世界って大変だ!

おしまい。

実光院について

Webサイト

お寺の詳細

住所:〒601-1241 京都府京都市左京区大原勝林院町187
連絡先:075-744-2537
創建:1013年ごろ
中興:応永年間(1394-1428)
開基:寂源(じゃくげん)/宗信法印(そうしんほういん)
宗派:天台宗(てんだいしゅう)
本尊:地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

拝観時間

時期 拝観時間
12月~10月 9:00~16:00
11月 9:00~16:30

紅葉の時期(11月)のみ、少しだけ閉門時間が遅くなります。

拝観料

中学生以上 小学生以下
700円 300円

拝観料には、「お抹茶」が含まれています。

その他注意点

・写真や動画撮影可能な場所は、必ず係員に確認しましょう。

・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてください。


実光院-パンフレット

では次に、実光院の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!


実光院の見どころ

実光院の地図

「*」のついている見どころは有料エリアです。

山門

実光院-山門

入口の山門(さんもん)をくぐり、境内に入りましょう!

山門右側には「魚山実光院」の石碑が建てられています。

この魚山(ぎょさん)とは、中国の山東省にある声明(しょうみょう)と称される仏教声楽の聖地。

日本では、この大原の地こそが天台声明(てんだいしょうみょう)大成の地とされているんです。

だからこそ、声明を修行するこのような僧房が昔から大原の地には沢山あったんですね。

客殿*

実光院-客殿の外観

山門を抜けるとすぐに客殿(きゃくでん)が見えてきます。

歴史の欄で書いた通り、このお寺は1919年に宮内庁の意向により引っ越しを余儀なくされています。

庫裏や本殿と一体化したこの建物は、大正時代の1921年建立とのこと。


実光院-客殿の入り口

小さなお寺なので、入り口に常時受付の方がおられる訳ではないとのこと。

そこで使うのが、右上に吊られた銅鑼!

「インターフォン替わりに銅鑼を鳴らす。」

こんな非日常感も素敵ですね。


実光院-客殿の縁側

受付を済ませて客間に入ると、縁側がある客間に通していただけます。

この客間が本堂の代わりで、ご本尊の地蔵菩薩(じぞうぼさつ)や、江戸時代中期・狩野派により描かれた三十六詩仙(さんじゅうろくしせん)の画が祀られています。


実光院-客殿内部からの眺め02

客間からは、実光院が誇る2つの庭園の風景をゆっくり楽しむことができました!

こちらは客間の南側から眺める、池泉鑑賞式庭園の「契心園(けいしんえん)」


実光院-客殿内部からの眺め01

こちらは客間から眺める、西側の回遊式庭園

この庭園は、実際に外に出て見て回ることができちゃいます。(後述します。)


実光院-お抹茶の接待

拝観料には、お抹茶の接待がついています!

「お抹茶を頂きながら、客間の縁側に座って素敵な庭園をただぼけーっと眺める。」

そんな贅沢な時間が、たった700円で実現できちゃうのは素敵ですね!

契心園*

実光院-契心園

こちらが客殿南側にある契心園(けいしんえん)の全景です。

江戸時代後期の作庭で、庭園の松を「鶴(つる)」、池の島を「亀(かめ)」に見立てています。

「鶴は千年、亀は万年」のことわざ通り、鶴と亀は長寿と吉兆のシンボル。

何とも縁起が良いお庭ですね!


実光院-契心園の紅葉

秋になると、少し物悲しい紅葉の風景を楽しむことができます!

西庭園*

実光院-西庭園

客殿の入り口裏手口からは、実際に西側の庭園におりて散策することが出来ちゃいます!

中央に池を配した、池泉回遊式の素敵な庭園です。


実光院-西庭園02

この西側の庭園、とにかく借景が素晴らしいんです!

雄大な大原三山の全体を見渡すことができ、庭園の緑と一体化したこの景色は一つの絵画を見ているようですね!

この大原の地には三千院(さんぜんいん)をはじめ数多くの寺院がありますが、景色/眺望という面ではこの実光院がナンバーワン!だと思います。


実光院-西庭園の紅葉

ちなみに、秋の紅葉の時期も抜群に美しいことは言うまでもありません!

梵音寂の石碑*

実光院-梵音寂の石碑

こちらは西側の庭園にある、梵音寂(ぼんのんじゃく)の石碑

「梵音寂」とは聞きなれない言葉ですがどんな意味があるのでしょうか?

「梵音」は「僧侶が唱える読経/声明 (しょうみょう) が奏でる音」であり、「寂」は「静かなるさま」。

よってこの言葉には、「静寂なこの大原の地に、僧侶が唱える声明だけがただ聴こえてくるさま」という意味があるそうです。

茶室 理覚庵*

実光院-茶室 理覚庵

庭園の北側の奥には、茶室 理覚庵(りかくあん)がひっそりと佇んでいます。

昭和時代の1975年に、建築資材のほぼすべてを周囲の山林から切り出し利用したとのこと。

まさに、「地産地消の茶室」ですね!

実光院の紅葉

実光院の境内及び周辺は、紅葉の名所として有名です。

紅葉の見ごろは、毎年11月下旬~12月上旬ごろです!

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実光院の動画

実光院の境内(Precincts of Jikko-in Temple)

実光院の写真

Jikko-in Temple (Sakyo Ward, Kyoto):実光院(京都市左京区)


実光院の御朱印

実光院の御朱印

実光院の御朱印は、ここが魚山声明を研鑽する場を表す「梵音寂(ぼんのんじゃく)」の墨文字です。

実光院への行き方/アクセス方法

実光院の地図

実光院のある大原には、電車の最寄り駅がありません。

京都駅、河原町駅、国際会館駅や出町柳駅から京都バスに乗車し「大原バス停」で下車、そこから徒歩(約15分)で向かいます。

「国際会館駅」まで電車で行き、そこから「京都バス」に乗車する行き方が一番おすすめです。

この路線を走るバスには「一日乗車券」が使えません!


大阪駅からのルート例(電車)

乗換え案内(電車)

①JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、京都市営地下鉄烏丸線に乗り換え。

②京都市営地下鉄烏丸線で「京都駅」から終点の「国際会館駅」へ。


なんば駅からのルート例(電車)

乗換え案内(電車)

①大阪メトロ(地下鉄)で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線に乗り換え。

②JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、京都市営地下鉄烏丸線に乗り換え。

③京都市営地下鉄烏丸線で「京都駅」から終点の「国際会館駅」へ。


京都駅からのルート例(電車)

乗換え案内(電車)

①京都市営地下鉄烏丸線で「京都駅」から終点の「国際会館駅」へ。


地下鉄 国際会館駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「国際会館駅前 乗り場3」から「京都バス19系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:19系統[大原・小出石行き] 
乗車バス停:国際会館駅前[乗り場3]
降車バス停:大原
運賃:350円
所要時間:約22分

■19系統[大原・小出石行き] の時刻表


京阪 出町柳駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「出町柳駅前 乗り場C」から「京都バス16/17系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:16/17系統[大原行き] 
乗車バス停:出町柳駅前 乗り場C
降車バス停:大原
運賃:430円
所要時間:約33分

■16/17系統[大原行き] の時刻表


阪急 河原町駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「河原町通北行のりば」から「京都バス17系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:17系統[大原行き] 
乗車バス停:河原町通北行のりば
降車バス停:大原
運賃:520円
所要時間:約52分

■17系統[大原行き] の時刻表


JR/地下鉄 京都駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「京都駅前 乗り場C3」から「京都バス17系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:17系統[大原行き] 
乗車バス停:京都駅前 乗り場C3
降車バス停:大原
運賃:550円
所要時間:約68分

■17系統[大原行き] の時刻表


最寄りバス停「大原」からのルート例(徒歩)

大原バス停から三千院までは約650m、徒歩15分です。


タクシーを使う場合

京都駅から:約6600 (約40分)

河原町駅/祇園四条駅から:約5900円(約35分)

国際会館駅から:約3500円(約20分)

・タクシー運転手に行き先を告げたい場合

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・タクシーを呼びたい場合

taxi-call

[タクシー配車連絡先: 京都駅周辺]


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いかがでしたか?

それでは楽しい旅を!( *´艸`)