本山寺(ほんざんじ)は、大阪府高槻市にある天台宗の寺院です。
京都府に近い大阪の山間部にひっそりと佇むこのお寺は、何と1200年を超える歴史を持つ古刹。
奈良時代の770年ごろ、修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)の修行場を開成皇子(かいじょうおうじ)によりお寺として整備されました。
そんな大阪府きっての古刹である本山寺の見どころは、何といっても「日本三毘沙門天にも数えられる毘沙門天」!
年に三度御開帳されるご本尊の毘沙門天立像は、国の重要文化財にも指定されています。
今回はそんな本山寺を訪れてみました。
近隣には日本で最初に毘沙門天を奉じたとされる神峯山寺(かぶさんじ)があるので、一緒に行かれることをおすすめします!
本山寺の歴史
では、まずはじめに本山寺の歴史と覚えておきたいポイントを一緒に見て行きましょう!
ここは飛鳥時代の697年ごろに修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が霊感を受け、この地で自ら毘沙門天像を彫って捧げた場所。
それがこの本山寺(ほんざんじ)の起こりです。
奈良時代の770年ごろになると開成皇子(かいじょうおうじ)がこの修行場にお堂を整備、正式に仏教寺院としての歴史が始まり、神峯山寺や安岡寺と共に「北摂三山寺」の一つとして数えられます。
その由緒から、同じ毘沙門天を祀る近隣の神峯山寺(かぶさんじ)の奥の院とも称されます。(諸説あり。)
戦国時代には松永久秀(まつながひさひで)がこの本山寺の毘沙門天に立身出世を願い、その後戦国時代きっての謀略家、乱世の梟雄と称されるまでになり、そのご利益が一気に世に広がったと言われます。
室町時代の1582年に生じた山崎の戦いにより一時焼失するも、江戸時代の1603年に豊臣秀吉の三男・豊臣秀頼(とよとみひでより)の寄進により無事再興されます。
閑話休題。
その由緒から、この本山寺は「日本三毘沙門天」の一つともされています。
ただこれには諸説あり、日本三毘沙門天を称する場所は他にも複数あるとのことでちょっと調べてみました。
その結果、一般的には京都の鞍馬寺(くらまでら)、奈良の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)、栃木の最勝寺(さいしょうじ)とされるのが通説のようです。
また、毘沙門天を祀る霊場にはこの他に「毘沙門天三大霊場」という考え方もあり、この場合は京都の鞍馬寺と毘沙門堂、奈良の朝護孫子寺がそれに当たる解釈になるようです。
で、この三大霊場の考え方で言うと栃木の最勝寺が入っていないことから、この本山寺などが最勝寺の変わりに三毘沙門の一つと称されるんだと。(本山寺以外にも三毘沙門を称するお寺はあります。)
うーん、ちょっと調べてはみたんですが正式なことは正直良く分かりません!(笑)
ただ、これだけははっきりと分かりました。
「毘沙門天は、三大といった格付けが乱立するほどに日本中で愛されている!」
ということで…、
結論「全国各地にある毘沙門天は、格付けなんて気にしなくてもご利益満載の神様だ!」
毘沙門天さまをお参りする際は、格付けなんか気にせずに行きましょう!(笑)
おしまい。
本山寺について
お寺の詳細
住所:〒569-1051 大阪府高槻市大字原3298
連絡先:072-687-9921
創建:696年
開基:開成皇子(かいじょうおうじ)
宗派:天台宗
ご本尊:毘沙門天
毘沙門天の御開帳日
1月3日 初寅会大護摩供
5月の第2日曜日 宇賀神大祭
11月の第2日曜日 大般若転読
拝観時間
境内はいつでも拝観可能。
毘沙門天の御開帳は13:00~15:00ごろ。(要確認)
拝観料
志納
その他注意点
・上記情報は2018年4月に訪れた際のものであり、変更されている可能性があります。
・写真/動画撮影可能な場所や、一脚/三脚の利用可否は必ず係員に確認しましょう。
・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてくださいね。
では次に、本山寺の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!
本山寺の見どころ
本山寺は、大阪府高槻市の北側の山間部に位置します。
最寄りのバス停(神峯山寺口)からは約4kmの道のりで、徒歩で1時間30分ほど。
一面緑に覆われた山道をハイキングがてらに行くにはちょうど良い距離です。
道はほぼしっかりとした舗装道路で、神峯山寺からはほぼ一本道なので迷うこともないかと思います。
とはいえ、山の中を歩くため歩きやすい服装で行くことをおすすめします。
また、入り口から500mほどの麓には無料の駐車場がありますので、自家用車をお持ちの方は車で行かれることをおすすめします。
ただ、途中の山道は一部狭くなっている場所もあるので運転には十分ご注意くださいね。
最寄りのバス停から山道を歩くこと約1時間半、ようやく本山寺の入り口が見えてきました!
入口の山門には、山中のお寺などで良く見られる勧請掛け(かんじょうがけ)が掛けられていました。
勧請掛けとは縄で結ばれた樒(しきみ)という植物の葉の束を12本掛け、その枯れ具合や高低によって毎月のお米の価値を占うもので、この本山寺では江戸時代から続く風習なんだとか!
そんな古の風習を見学しつつ、境内に入りたいと思います。
中の門
入口の山門を抜けて境内を進むと、二つ目の門である中の門(なかのもん)が見えてきました。
この門は江戸時代の初め、豊臣秀頼がこのお寺を再建した際に伏見城(ふしみじょう)から移築されたものだと言われています。
福塚
中の門を抜けて境内を進むと、右手の鳥居の先に福塚(ふくづか)がありました。
何でも昔から「福塚」のような縁起の良い地名には神様が宿るとされ、福塚大明神として祀られるようになったと言われていますが、その詳細は調べてみても良く分かりません。
本堂
境内の参道を道なりに進み、階段を上った最上段に本堂(ほんどう)が構えられていました。
江戸時代中頃に、江戸幕府五代将軍・徳川綱吉の生母であった桂昌院(けいしょういん)により改修されたものだとか。
それ以降あまり手を入れていないのか、年代の割には非常に歴史を感じさせる重厚な木像建造物です。
掲げられている「毘沙門天王」の扁額通り、この本堂には重要文化財に指定されている木造毘沙門天立像が納められています。
基本的には秘仏ですが、年に三回あるお寺の祭事の折に御開帳されます。
また、堂内にはその他にも「兜跋毘沙門天」や「獅子に乗る毘沙門天」、蛇の胴体に老人の顔を持つ異形の神様・宇賀神(うがじん)の彫像が納められていました。
鐘楼
本堂の階段を下りた広場には、鐘楼(しょうろう)がありました。
鐘楼の中には、如来さまのお迎えが模られた梵鐘が吊られていました。
開山堂
鐘楼から少し高い場所には、白壁土蔵のような作りの開山堂(かいざんどう)がひっそりと佇んでいました。
こちらの開山堂には、お寺の開山・役小角と開基・開成皇子の像がそれぞれ祀られていました。
庫裏
境内の一番西側の奥には古民家風の庫裏(くり)があり、こちらで御朱印を頂けます。
私がお伺いした際は他の参拝者の姿もなく、ご住職の奥様がお茶を入れてもてなして頂けました。
この場所までかなり歩いたので、ほっと一息付けました!
境内には他にも複数体の不動明王の石像があり、訪れた人たちを見守ってくれていました。
また本山寺は山の中腹に位置するため、境内はとても自然豊かで新緑が非常に綺麗でした。
秋に訪れると、また綺麗な紅葉の違った光景が拝めるんだと思います。
これで、本山寺の主な見どころを全て見ることが出来ました!
訪問の感想としては、最寄りのバス停からも遠くかなり行きにくい場所にあるがゆえに、境内の自然が素晴らしく、境内の建物は古き良き時代の風情を残しているのが印象的でした。
日々の運動不足を解消するためにちょっとウォーキングをしたい!という方にもうってつけのお寺さまだと思います。
皆さんも是非行ってみてくださいね!
本山寺の動画
本山寺の写真
本山寺の御朱印
この本山寺では、ご本尊である「毘沙門天(びしゃもんてん)」の梵字の御朱印と、その脇を守る「宇賀神王(うがじん)」の御朱印の2種類を頂きました。
神の遣いであるムカデの朱印が印象的ですね!
御朱印は庫裏で頂く事が出来ます。(各300円)
本山寺への行き方/アクセス方法
最寄り駅はJR高槻駅です。
JR高槻駅からはかなり距離があるので、駅からはバスかタクシーで行きましょう。
大阪駅からのルート例(電車)
①JR京都線で「大阪駅」から「高槻駅」へ。
なんば駅からのルート例(電車)
①大阪メトロ御堂筋線で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線へ乗り換え。
②JR京都線で「大阪駅」から「高槻駅」へ。
京都駅からのルート例(電車)
①JR京都線で「京都駅」から「高槻駅」へ。
JR高槻駅からバスで行く場合
「JR高槻駅北1乗り場」から高槻市営バス「53系統」に乗車、「神峰山口」で下車。
バス会社:高槻市営バス
行先・系統:53系統[原大橋行き]
乗車バス停:JR高槻駅北1
降車バス停:神峰山口
運賃:220円
所要時間:約20分
神峰山口バス停からの徒歩ルート例
徒歩約1時間30分(4.5km)です。
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タクシーで行く場合
JR高槻駅から:約4,500円 (約30分)
・タクシー運転手に行き先を告げたい場合
・タクシーを呼びたい場合
タクシー配車連絡先(JR高槻駅周辺)
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いかがでしたか?
それでは楽しい旅を!