神峯山寺(かぶさんじ)は、大阪府高槻市にある天台宗の寺院です。

修験道(しゅげんどう)の開祖・役小角(えんのおづぬ)により697年に創建されたとても古い寺院です。

日本で最初に毘沙門天を奉じた寺院としても有名で、かの足利義満や淀殿からも多額の寄進があるほどの信仰を集めました。

また、第49代光仁天皇(こうにんてんのう)の勅願所でもあり、皇室と繋がりが深い寺院でもありました。

ご本尊は「毘沙門天」、「兜跋(とばつ)毘沙門天」、「双身(そうしん)毘沙門天」の3体の毘沙門天(びしゃもんてん)

全て秘仏ですが、「兜跋(とばつ)毘沙門天」のみ11月の「秋の大祭」でご開帳されます。

「日本最古の毘沙門天の加護を受けたければ神峯山寺へ!」

今回はそんな神峯山寺を訪ねてみました。


神峯山寺の歴史

では、まずはじめに神峯山寺の歴史を一緒に見て行きましょう!


神峯山寺(かぶさんじ)は、697年に修験道(しゅげんどう)の開祖であった役小角(えんのおづぬ)により創建されたと伝えられます。

その歴史は何と1300年以上!

京都最古のお寺である広隆寺(こうりゅうじ)が603年の創建なので、それに匹敵する歴史を持っています。


神峯山寺は、日本で最初に毘沙門天(びしゃもんてん)を祀ったお寺として有名です。

なぜ、このお寺が毘沙門天を祀ることになったのか?

それは、お寺の開山である役小角(えんのおづぬ)とこの神峯山の神である金比羅飯綱大権現(こんぴらいづなだいごんげん)との出会いに始まります。

修験道の修行中だった役小角は金比羅飯綱大権現より啓示を受け、この地で霊木でできた毘沙門天を授かったと言われます。

それが697年のことであり、「日本で最初に毘沙門天を奉じたお寺」として認知されました。

こうした縁起もあり、この地はその後比叡山葛城山と並ぶ修験道の霊場として栄えることになりました!


その後平安時代に入ると、日本に仏教が伝来。

その際にこの寺院は天台宗となり、神道を元とする修験道と融合した独特の信仰形態となりました。

いわゆる「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」の考えですね!

ということで、現在この神峯山には日本古来の神様も仏様もいらっしゃいます。

だから、お寺の入り口の参道には神社の結界である鳥居(とりい)があるんですね。


また、神域を守護する狛犬(こまいぬ)がお寺の山門にあったりするのもこの神仏習合の影響なんですね。

この何でもあり感により、「今の日本が宗教にとても寛容な国」だと再確認できます。


お寺の本尊である毘沙門天は「戦の神」であり「鬼門(北方)を守護する神」、単独で祀られる場合は毘沙門天(びしゃもんてん)、四天王として祀られる場合は多聞天(たもんてん)と呼ばれます。

昔から戦の多い日本において、抜群の御利益がある神様だからこそ多くの信仰を集めてきたんですね。

特にこの神峯山寺では形態やご利益の異なる3体もの毘沙門天を祀るため、過去には足利義満淀殿といった当代きっての有力者の寄進を受け発展しました。

そんな神峯山寺は、現在でも「頼りになる厄除け毘沙門さん」として地元の方々に親しまれているんですよ。

毘沙門天と四天王については以下記事でもまとめていますので、興味がある方はぜひご覧ください。

おしまい。

神峯山寺について

お寺のWebサイト

お寺の詳細

住所:〒569-1051 大阪府高槻市原3301-1
連絡先:072-688-0788
創建:697年
開山:役小角(えんのおづぬ)
宗派:天台宗
ご本尊:毘沙門天

拝観時間

9:00~17:00(冬季は~16:00)

拝観料

志納

その他注意点

・ご本尊の毘沙門天は、秘仏のため一般公開されていません。

(「兜跋(とばつ)毘沙門天」のみ11月にある「秋の大祭」でご開帳されます。)

・写真/動画撮影可能な場所や一脚/三脚の利用可否は、必ず係員に確認しましょう。

・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてくださいね。


では次に、神峯山寺の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!


神峯山寺の見どころ

*のついている見どころは有料エリアです。

仁王門

こちらがお寺の入り口に鎮座する重厚な仁王門(におうもん)です。


迫力ある朱塗りの金剛力士(こんごうりきし)が出迎えてくれます。

本堂

こちらが1777年に再建された本堂(ほんどう)です。

堂内にはご本尊である3体の毘沙門天が祀られています。


第49代光仁天皇(こうにんてんのう)の勅願所のため、皇室の紋章である十六八重菊紋が見えますね。

釈迦堂

開山堂

開山堂(かいざんどう)には、本寺の開山である役小角(えんのおづぬ)が祀られています。

観音堂

・十三重塔:13-storey Stone Pagoda

観音堂の傍には、光仁天皇(こうにんてんのう)の遺骨が納められる十三重塔があります。

鐘楼堂

化城院

化城院(けじょういん)には、梵天(ぼんてん)帝釈天(たいしゃくてん)が祀られています。

また、この建物ではほぼ毎日護摩のお炊き上げがされており、誰でも参加が可能です!

嶺峰院

嶺峰院(れいほういん)には、阿弥陀如来(あみだにょらい)が祀られています。

本坊

白龍王社

寂定院

寂定院(じゃくじょういん)は、境内の西側に位置する塔頭の一つです。

龍光院

龍光院(りゅうこういん)は、境内の東側に位置する塔頭の一つです。

東の六地蔵

六地蔵(ろくじぞう)は境内東側に位置し、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)における衆生の苦しみを救ってくださるお地蔵様です。

九頭龍滝

境内の奥にある九頭龍滝(くずりゅうたき)は、修験道の修行の場として現在でも滝行が行われています。

勧請掛け

参道の手前では、綱にぶらさがった仕掛けを見ることができます。

これは勧請掛け(かんじょうがけ)と言い、年初に悪を祓う樒(しきみ)を掛けこの垂れ具合で様々な事を占うんだそうです。

金比羅飯綱大権現

参道の入り口には、神峯山の地主神である金比羅飯綱大権現(こんぴらいづなだいごんげん)を祀る社があります。

神峯山寺の動画


神峯山寺の写真

神峯山寺:Kabusan-ji(20180428)

神峯山寺の御朱印

神峯山寺の墨書きは、ご本尊の毘沙門天(びしゃもんてん)です。

天皇の勅願所でもあったため、朱印には皇室の紋である「十六八重菊の菊花紋章」が使われています。


神峯山寺への行き方/アクセス方法

最寄り駅はJR高槻駅です。

ただし、JR高槻駅からはかなり距離があるので、バスかタクシーで行きましょう。


大阪駅からのルート例(電車)

乗換え案内サイト

①JR京都線で「大阪駅」から「高槻駅」へ。

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なんば駅からのルート例(電車)

乗換え案内サイト

①大阪メトロ御堂筋線で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線へ乗り換え。

②JR京都線で「大阪駅」から「高槻駅」へ。

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京都駅からのルート例(電車)

乗換え案内サイト

①JR京都線で「京都駅」から「高槻駅」へ。

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JR高槻駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「JR高槻駅北1乗り場」から高槻市営バス「53系統」に乗車、「神峰山口」で下車。

バス会社:高槻市営バス
行先・系統:53系統[原大橋行き]
乗車バス停:JR高槻駅北1
降車バス停:神峰山口
運賃:220円
所要時間:約20分


神峰山口バス停からの徒歩ルート例

徒歩約20分(1km)です。


タクシーで行く場合

JR高槻駅から:約3,200 (約20)

・タクシー運転手に行き先を告げたい場合

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・タクシーを呼びたい場合

taxi-call

[タクシー配車連絡先: JR高槻駅周辺]

神峯山寺周辺のホテル検索/予約

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いかがでしたか?

それでは楽しい旅を!