金臺寺/金台寺(こんたいじ)は、京都市北区にある臨済宗のお寺さまです。
日本最大級の禅寺であり、臨済宗のなかでも最大宗派の頂点にたつ妙心寺(みょうしんじ)。
この金臺寺さんはそんな妙心寺の境外塔頭として、妙心寺とは少し離れた場所にひっそりと佇まれています。
通常は非公開のお寺さまですが、近年は秋の特別拝観時にその境内が公開され数々の寺宝を拝ませて頂くことができます。
そんな金臺寺さんの見どころは、「ユーモアに富んだ美術品の数々」!
なかでも、臨済宗の中興の祖とも言われる高僧・白隠慧鶴(はくいんえかく)が遺した「法具変妖之図」は不気味さとコミカルさを両立した傑作で、まるで現代の漫画を見ているように楽しめます。
今回は、そんな金臺寺/金台寺さんを訪れてみました。
金臺寺の歴史
では、まずはじめに金臺寺の歴史と覚えておきたいポイントやキーワードを一緒に見て行きましょう!
お寺の創建時期に関する詳細な言い伝えはないようですが、はるか昔の平安時代に創建されたとも言われているんだとか。
その後は歴史の荒波の中発展と衰退を繰り返し、織田信長(おだのぶなが)が天下人の野望に燃えていた1576年(安土桃山時代)に再興されることとなります。
その再興の号令を出されたお方こそ、第106代の正親町天皇。
皆さん、正親町天皇をご存知ですか?
はい、私はこのお寺さまに伺うまでは恥ずかしながらその読み方すら知りませんでした…。
正親町天皇(おおぎまちてんのう)と読みます。
戦国の乱世において、かの織田信長が天下統一の野望のためまさに京都に上洛せんとしたときの天皇こそがこの正親町天皇。
一説によると、信長は「腐敗した朝廷から正親町天皇を救う!」という大義名分を得て上洛したんだとか。
まさに歴史が大きく動いた時代に、朝廷の権力側におられた中心人物。
この正親町天皇は、織田信長の失脚後も豊臣秀吉(とよとみひでよし)の権威の後ろ盾として長く皇室の権威維持に努められ、その一方で熱心に仏教へ帰依した人物ともされています。
そんな正親町天皇の庇護もあり、この金臺寺さんは戦国乱世の時代を生き抜かれてきたんですね。
その後は、江戸時代に妙心寺の境外塔頭となり現在に至るんだとか。
金臺寺について
お寺の詳細
住所 | 〒603-8354 京都府京都市北区等持院西町64 |
連絡先 | 075-462-4831 |
創建 | 不明(平安時代?) |
開基 | 不明(再興:正親町天皇) |
宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
ご本尊 | 釈迦如来 |
拝観時間
通常は非公開
(特別拝観時は9:00~16:00)*2020年度秋季
拝観料
通常は非公開
(特別拝観時は500円)*2020年度秋季
2020年秋季特別拝観について
お寺のWebサイト
その他注意点
・本サイトの情報は2020年3月に訪れた際のものであり、変更されている可能性があります。
・写真/動画撮影可能な場所や、一脚/三脚の利用可否は必ず係員に確認しましょう。
・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてくださいね。
では次に、金臺寺/金台寺の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!
金臺寺の見どころ
「*」のついている見どころは、特別拝観の期間は有料エリアとなります。
もともと、この近辺にある妙心寺や等持院が大好きな私はこの金臺寺さんの近くを何度も通っていました。
で、こんなところにもお寺さんがあるんだー!とはなんとなく知っていたものの毎回スルー。
そんな折インターネットを見ていたら…、
「金臺寺さんで素敵な御朱印をいただけました!」
「御朱印をいただく間に、堂内のご説明までしていただけました!」
などの素敵な情報を目にしたため、訪問させて頂きました。
最寄り駅は、嵐電北野線の「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」。
な…なんて長い駅名!
昔は「等持院駅」だったんですが2020年3月に駅名変更され、何と駅名の長さ日本一タイになったんだとか。(笑)
そんな長い駅名に別れを告げて、住宅街の細い道を歩くこと約1分ちょっと。
見えてきました金臺寺さん!
因みに、金臺寺さんには駐車場はありません。
また、近辺にコインパーキングも無いため(200mほど歩いた西大路通りまで行かないとなさそうです。)公共交通機関を利用して行きましょう!
山門(San-mon Gate)
入り口の山門(さんもん)を正面から見てみました。
門は閉じており、どう見ても「拝観謝絶」の雰囲気…。果たして御朱印はいただけるのでしょうか。
門の横にあるくぐり戸から、インターホンで御朱印を頂けるかをお尋ねすることに!
その結果…、
快諾いただけました!
本来ならば事前にご連絡したうえでお伺いすべきところ、別件の合間だったこともあり事前連絡なしにも関わらず快くお受けくださいました。
また丁度お時間があるとのことでしたので、ご住職に御朱印を書いて頂いている間に堂内にあがらせていただき、奥様にお寺さまの歴史や謂れなどを懇切丁寧にご教示いただけました。
本堂*(Hon-do Hall)*
まずは本堂を外からパシャリ。
精巧につくられた懸魚(げぎょ)や、屋根に鎮座する堂々たる鬼瓦(おにがわら)が目を引きます!
堂内には、皇室とのつながりをしめす菊花紋章(きくかもんしょう)を至る所で見ることができました。
今回の訪問時にはお目にかかれませんでしたが、秋の特別拝観時には白隠慧鶴(はくいんえかく)が描いたとされる「法具変妖之図」という芸術品を鑑賞することができるそうです。
案内パンフレットを見るに、妖怪に変化した法具たちがとてもコミカルに描かれており、まるで現代の漫画を連想させるような遊び心に溢れたも芸術作品のようですね!
庭園*(Garden)*
本堂を一通りご案内いただいた後は、境内奥の少し上段にあるお部屋にご案内いただきました。
ここからは金臺寺の庭園を一望することができました。
中央に大きな池が配された、池泉鑑賞式の庭園。
一階に戻って、全景をパシャリ。
写真には写っていないですが、大きな錦鯉が数匹優雅に泳いでいました。
お庭の蹲(つくばい)に置かれた瓦には、鶴と菊の紋章。
苔の枯山水(かれさんすい)。
この金臺寺さんは住宅街の中に位置しているんですが、それを忘れてしまうほど静かな時間が流れていました。
そうこうしているうちに、御朱印をいただき見学終了と相成りました。
今回は突然の訪問だったにも関わらず、本当に気さくにご対応いただけました。
ただ通常は非公開のお寺さまなので、訪問の際は特別拝観の時期を狙うか、事前にご連絡を入れたほうが良いかと思います!
金臺寺の動画
金臺寺の写真
金臺寺の御朱印
今回私が頂戴した御朱印の墨文字は、ご本尊の「釈迦如来(しゃかにょらい)」です。
このほか、特別拝観時には限定の御朱印なども書いておられるそうですので、チェックしてみてください。
金臺寺への行き方/アクセス方法
最寄り駅は、嵐電北野線 等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅です。
京都駅や四条駅からバスで行くことも出来ます。
大阪駅から等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅へのルート例(電車)
①JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、JR嵯峨野線に乗り換え。
(新快速を利用すると便利です。)
②JR嵯峨野線で「京都駅」から「太秦駅」へ行き、嵐電北野線に乗り換え。
③嵐電北野線で「撮影所前駅」から「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」へ。
なんば駅から等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅へのルート例(電車)
①大阪メトロ御堂筋線で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線に乗り換え。
②JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、JR嵯峨野線に乗り換え。
(新快速を利用すると便利です。)
③JR嵯峨野線で「京都駅」から「太秦駅」へ行き、嵐電北野線に乗り換え。
④嵐電北野線で「撮影所前駅」から「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」へ。
京都駅から等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅へのルート例(電車)
①JR嵯峨野線で「京都駅」から「太秦駅」へ行き、嵐電北野線に乗り換え。
②嵐電北野線で「撮影所前駅」から「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」へ。
等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅からの徒歩ルート例
徒歩約1分(200 m)です。
京都駅からバスに乗る場合
「京都駅前 乗り場D3」から京都市バス「26系統」に乗車、「等持院南町」で下車。
バス会社:京都市バス
行先・系統:26系統[北野白梅町 御室仁和寺・山越行き]
乗車バス停:京都駅前[乗り場D3]
降車バス停:等持院南町
運賃:230円
所要時間:約40分
四条駅からバスに乗る場合
「四条烏丸(地下鉄四条駅)バス停 乗り場E」から京都市バス「26系統」に乗車、「等持院南町」で下車。
バス会社:京都市バス
行先・系統:26系統[北野白梅町 御室仁和寺・山越行き]
乗車バス停:四条烏丸(地下鉄四条駅)[乗り場E]
降車バス停:等持院南町
運賃:230円
所要時間:約28分
タクシーで行く場合
京都駅から:約3,000円(約20分)
京阪 祇園四条駅から:約2,800円(約15分)
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いかがでしたか?
それでは楽しい旅を!