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正伝寺は、1282年に臨済宗の僧である、東巌慧安(とうげんけいあん)により建立された寺院です。

このお寺の山号は吉祥山であり、正式名称を「吉祥山正伝護国禅寺」と言います。
(この地が争いのために不安定であった際に、東巌慧安が国家安泰を祈願したことから、時の天皇である亀山上皇から「吉祥山正伝護国禅寺」という名前が与えられました。)

このお寺には本堂である方丈と庫裏、そして1つの日本庭園しかありません。
また、京都の中心地から少し離れており、それ程観光客が多いわけでもありません。

ただ、それがこのお寺の良さなのです・・・。

誰もいない本堂の縁側に座り、時を忘れて枯山水の日本庭園を眺めてゆっくりと過ごす・・・。

間違いなく最高の贅沢です。

今回はそんな正伝寺を訪ねてみました。

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目次

  1. 正伝寺について
  2. 小堀遠州が遺した見事な枯山水の庭園
  3. 伏見城の戦いの名残が今も残る「血天井」
  4. 正伝寺の御朱印
  5. 正伝寺の行き方&周辺MAP

1.正伝寺について

正伝寺(しょうでんじ)は、京都市北区西賀茂にある臨済宗南禅寺派諸山の格式を持つ寺である。山号は吉祥山。寺号は詳しくは正伝護国禅寺という。本尊は釈迦如来
文永5年(1268年)、東巌慧安が師の兀庵普寧を開山として烏丸今出川に創建したのがこの寺の始まりとされる。兀庵は中国(南宋)からの渡来僧で、文永2年(1265年)に帰国しているが、東巖は師の兀庵を開山に勧請したものである。寺は比叡山延暦寺の衆徒によって破却され、東巖は鎌倉の聖海寺(現存せず)に移り、同地で建治3年(1277年)に没した。
寺が再興されたのは弘安5年(1282年)のことである。同年、賀茂社の社家・森経久の援助により寺は西賀茂の現在地に移り寺運は興隆した。室町時代には天皇家、将軍家の帰依を受けたが、応仁の乱1467年1477年)の兵火により衰退した。豊臣秀吉徳川家康の援助を受け復興され、江戸時代には塔頭5寺を有していた。
引用(citation):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E4%BC%9D%E5%AF%BA

参拝時間:9:00~17:00
参拝料:400円(高校生以上),300円,(中学生),200円(小学生以下)
住所:〒603-8847 京都府京都市 北区西賀茂北鎮守菴町72
連絡先:075-491-3259

正伝寺は臨済宗南禅寺派の寺院であり、正式名称を「吉祥山 正伝護国禅寺」と言います。
こちらは正伝寺の山門です。
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山門を抜けると山道が続いています。
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参詣道の入口の門です。
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仏像が出迎えてくれます。
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お寺の山門から本堂まではおよそ250mの山道を登ります。
新緑の季節はとても気持ちが良いですよ。(○´艸`)
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階段を登ると庫裏の建物が見えてきます。お寺(本堂)の入口はこの庫裏の左手です。
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こちらは鐘楼です。
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2.小堀遠州が遺した見事な枯山水の庭園

このお寺の一番の見どころは何と言っても本堂の前に広がる枯山水の日本庭園です。
しかもこの庭園、あまり有名では無いのでとても空いています。

私は平日の朝に3回ほど行きましたが全て貸切状態でした。(○´艸`)
(休日や紅葉の時期はさすがに観光客が居ると思いますが。)

本堂の縁側に腰を下ろして、蝉の声を聞きながらゆっくりと時を過ごす・・・。
これぞまさに最高の贅沢です。(爺臭いと思わないで下さいね・・・。)

■Youtube:正伝寺 小堀遠州が遺した枯山水庭園(Karesansui (dry landscape) garden which is attributed to Enshu KOBORI.)

本堂の縁側の前に素晴らしい枯山水の日本庭園が広がっています。
誰も居ないこの場所はいつまででもゆっくりして居られます。(○´艸`)
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白砂で敷き詰められた庭園にはさつきの木が植えられています。
普通の枯山水庭園では「岩」を置くことによって「島」を見立てていますが、このお庭は「さつきの木」によって「島」を見立てています。
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このさつきの木は右から順に七つ・五つ・三つの順に並んでいます。いわゆる「七五三式の庭」ですね。(奇数は縁起の良い数字です。)
また、この庭は別名「獅子の児渡しの庭園」とも呼ばれています。
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奥にある門は、柿葺きの勅使門です。
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また、この庭園は遠くに望む比叡山を借景にしています。
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ただただこの庭には静寂と蝉の鳴き声だけが木霊しています。。。
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この庭園はかのデビット・ボウイさんもお気に入りだったそうです。何でもテレビのCMを撮影する際に、この正伝寺を名指しで指名したとか。
京都に名刹が数ある中で、敢えてこのマイナーな正伝寺を希望するとは、かなりの京都通だったんですね。(○´艸`)
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3.伏見城の戦いの名残が今も残る「血天井」

本堂の天井を見上げると一面に染みのようなものがあります。
これ、実は血痕!!なんです。

昔京都にあった伏見桃山城では、1600年に「伏見城の戦い」と呼ばれる石田光成の軍勢と徳川家康の忠臣であった鳥居彦右衛門元忠の軍勢が争った戦いがありました。
その際鳥居彦右衛門元忠の軍勢である約1,800人はその全員が討ち死に若しくは自刀し、流された血痕が床板に残されました。

このお寺の本堂の天井には、この伏見桃山城の床板が使われています。

見るのが怖い人は天井を見上げないようにしましょう・・・!

*「血天井」はこのお寺のほかにもいくつかの寺院で見ることが出来ます。

↓源光庵の血天井はこちら↓

血天井は本堂の縁側の天井にあります。この本堂の建物は国の重要文化財に指定されています。
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源光庵の血天井は足跡でしたが、こちらの血天井は手形です・・・。
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当時起きた戦いの凄惨さがひしひしと伝わってきますね・・・。
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本堂の中には狩野山楽が描いた襖絵があります。国の重要文化財に指定されています。
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4.正伝寺の御朱印

こちらの御朱印の墨書きはずばり「佛心(ほとけごころ)」の墨書きです。
「佛心(ほとけごころ)」とは仏様の心であり慈悲深い心を指す言葉です。
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5.正伝寺の行き方&周辺MAP

正伝寺の最寄り駅は「京都市営地下鉄烏丸線 北大路駅」です。

北大路駅からはバスで目的地に向かいます。
(目的地までは約4kmあるので徒歩だと1時間以上かかります。)

  乗換え案内

■大阪からのルート例
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■なんばからのルート例
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■京都からのルート例
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■北大路駅→正伝寺(バスの場合)*バス乗り場は地図を参照。

バス乗り場
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[行き]
北大路バスターミナル 京都市バス「1」「37」「特37」系統
乗車「北大路バスターミナル」→下車「神光院前」 運賃:230円

[帰り]
神光院前バス停 京都市バス「1」「37」「特37」系統
乗車「神光院前」→下車「北大路バスターミナル」 運賃:230円

■神光院前バス停→正伝寺
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いかがでしたか?

それでは楽しい旅を!( *´艸`)