妙心寺(みょうしんじ)は、京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の大本山です。
この妙心寺は日本で最大の規模を誇る禅寺。
それもそのはず、日本にある約6,000の臨済宗の寺院のうちなんとその半数以上がこの妙心寺に属する寺院なんです。
その規模と歴史的な価値から、妙心寺の境内は全て国の史跡に指定され厳重に保護されています。
そんな妙心寺の見どころは、何といっても「境内に立ち並ぶ禅様式の大伽藍」!
境内に立ち並ぶ巨大な伽藍を望む様はまさに圧巻で、その光景をもって「西の御所」とも呼ばれるほど。
「整然と立ち並ぶ、禅様式の美しい大伽藍を見たければ妙心寺へ!」
今回はそんな妙心寺を訪れてみました。
妙心寺の歴史
では、まずはじめに妙心寺の歴史と覚えておきたいポイントを一緒に見て行きましょう!
この妙心寺(みょうしんじ)は、南北朝時代の1337年に花園法皇(はなぞのほうおう)の離宮をお寺に改築することで誕生しました。
その昔、この妙心寺は花園御所(はなぞのごしょ)と呼ばれる離宮だったんですね。
その主である花園法王は禅の教えをこよなく愛する方だったため、自身の離宮に臨済宗の関山慧玄(かんざんえげん)禅師を迎え、この妙心寺を設立したという歴史を持ちます。
さて、時は足利家が幅を利かせていた室町時代、臨済宗の禅寺には明確な格付け制度が存在していました。
それが「五山十刹(ござんじっさつ)」という寺格制度。
ナニソレ?
今回は、この禅寺の格付けである「五山十刹」についてちょっと勉強してみました!
この制度は分かりやすく言ってしまうと、「臨済宗のお寺ランキング」です。
ではなぜ、このようなシステムが出来上がったのでしょうか?
その主な理由は…、
「室町幕府にとって脅威だった禅寺をコントロールしたかったから!」
実はこの時代、禅宗の教えは天皇や法皇にもファンが多い大人気の宗教だったんです。
この妙心寺も花園法王が自分の離宮を禅寺に改修したことからも、その影響力は良く分かりますよね。
てことで、室町幕府としてはこの勢力を何とか自分たちでコントロールしたいと思いました。
室町幕府「あー、何や禅の教えが流行りまくってて怖いよな・・・。天皇様まで信じまくってるし…。」
室町幕府「せや、いっそのこと禅寺を幕府公認にしてコントロールしたろか?」
室町幕府「お寺をランク付けして競わせると、お寺同士のけん制にもなるしな!」
室町幕府「よっしゃ、幕府の言うことを聞くお寺ベスト5とかベスト10とかを発表するぜー!」
当然、幕府の言うことを聞いたお寺の方が優遇されたのは言うまでもありません。
禅寺「おいおい何か将軍の好みとかで適当に決められたっぽいんやけど、ええんかこれ?」
室町幕府「へいへーい、いい子ちゃんなお寺にはそれなりの便宜を図っちゃうぜー。」
禅寺<「ま・・・まじか!よし、長いものには巻かれておくか…。」
こうして出来た、幕府公認の禅寺ランキングベスト5が「五山(ござん)」で、ベスト10が「十刹(じっせつ)」なんですね。
その結果、この京都では足利義満が将軍になって以降、以下のお寺がランキングされました。
だがしかし!
こうした幕府の制度に猛反対する禅寺がありました。
それが今回紹介している妙心寺や、修行の考えを同じくする大徳寺(だいとくじ)です。
この妙心寺や大徳寺は、禅宗の中でも特に修行が厳しく俗世とのつながりを嫌うお寺。
そのためこの室町幕府のランキング制度に大反対し、自ら幕府の庇護から離れることを決断したんです。
妙心寺「あほか!勝手に寺をランク付けすんなや!そんなシステムに賛成できるかー!」
妙心寺「てことで、うちは勝手にやらせてもらうんで悪しからず!」
そんな妙心寺の態度に怒ったのが、この制度を確立した室町幕府三代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)。
メンツをつぶされた義満は、何と1399年に起こった応永の乱(おうえいのらん)の混乱に乗じて妙心寺の領地を没収!
その後、お寺の名前も「龍雲寺(りゅううんじ)」と改名してしまい妙心寺の歴史は一度幕を閉じることに!
足利義満「ワシの言うことを聞かんお寺なんか取り潰しじゃー!覚悟せい!」
妙心寺「そ…そこまでするか。権力って怖い…。ガクッ。」
そんな不遇の時代を過ごした妙心寺は取り潰しから約三十三年後、室町幕府六代将軍・足利義教(あしかがよしのり)の時代になってようやく領地が返還されたんだとか。
その後は応仁の乱で伽藍の焼失に合うも復興し、現在に至ります。
このように、時の権力者の庇護よりも禅寺としての本分を重んじることを選んだお寺、それがこの妙心寺なんですね。
教訓「いつの時代も、権力に流されることなく自分を貫くのは大変ですね!」
おしまい。
妙心寺について
お寺の詳細
住所:〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町64
連絡先:075-463-3121
創建:1337年
開基:関山慧玄(かんざんえげん)
宗派:臨済宗妙心寺派
ご本尊:釈迦如来(しゃかにょらい)
拝観時間
9:10~16:40
*9:10から約20分間隔で拝観案内がなされます。
拝観料
高校生以上 | 700円 |
小中学生 | 400円 |
その他注意点
・拝観時間や拝観料及び拝観可能な場所は、日によって変わる場合があります。
・上記情報は2017年3月に訪れた際のものであり、変更されている可能性があります。
・写真/動画撮影可能な場所や、一脚/三脚の利用可否は必ず係員に確認しましょう。
・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてくださいね。
では次に、妙心寺の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!
因みに妙心寺の境内はとても広く、全ての見どころをゆっくりと見て回ろうと思うと半日以上かかりますので時間に余裕を持って参拝するようにしましょうね!
妙心寺の見どころ
- 南総門 (重要文化財)
- 勅使門 (重要文化財)
- 北総門 (重要文化財)
- 方丈池(前庭) (史跡・名勝)
- 三門 (重要文化財)
- 仏殿 (重要文化財)*
- 法堂 (重要文化財)
- 寝堂 (重要文化財)
- 玄関 (重要文化財)
- 大方丈 (重要文化財)
- 大方丈庭園 (史跡・名勝)
- 小方丈 (重要文化財)
- 小方丈庭園 (史跡・名勝)
- 庫裏 (重要文化財)*
- 微妙殿
- 鐘楼
- 経蔵 (重要文化財)*
- 浴室 (重要文化財)*
- 蓮池
*のついている見どころは有料エリアです。
南総門 (重要文化財)
南総門(みなみそうもん)は、江戸時代の1610年に建てられた重要文化財です。
名前の通り妙心寺境内の南側に位置する門で、JR花園駅や妙心寺前バス亭から行く場合はこの門が一番近い入り口となります。
私はJR花園駅を利用するため、毎回この南総門から境内に入っています。
勅使門 (重要文化財)
南総門の傍には、江戸時代の1610年に建てられた重要文化財の勅使門(ちょくしもん)があります。
山門や仏殿、法堂へと続く妙心寺の中心線に位置する参道の入り口ですが、現在は開かずの門となっており、妙心寺の歴代住持や新住持が入寺する際にのみ特別に開門されるそうです。
北総門 (重要文化財)
北総門(きたそうもん)は、江戸時代の1610年に建てられた重要文化財です。
名前の通り妙心寺境内の北側に位置する門で、嵐電北野線の妙心寺駅や妙心寺北門前バス亭から行く場合はこの門が一番近い入り口となります。
前庭 (史跡・名勝)
南門から境内に入ると、左手に方丈池が配された前庭(まえにわ)が広がります。
この前庭は、勅使門から境内に入るとちょうど眼前に広がるように作られており、その全体が国の史跡・名勝に指定されています。
三門 (重要文化財)
前庭から境内の奥までは、妙心寺の見どころである一直線にそびえる大伽藍が待ち構えています!
一番手前にあるのが、朱色が美しい楼閣風の建物である三門(さんもん)です。
安土桃山時代の1599年の建立で、重要文化財に指定されています。
この建物の上層部には、観音菩薩像と十六羅漢像が祀られています。
三門の「三(さん)」は、解脱を経て涅槃に入ることを意味する「空解脱門・無相解脱門・無作解脱門」という三つの門(方法)を指しています。
仏殿 (重要文化財)*
三門を抜けると次に見えてくる大伽藍が、仏殿(ぶつでん)です。
安土桃山時代の1583年の建立で、重要文化財に指定されています。
こちらの建物には、妙心寺ご本尊の釈迦如来像が祀られています。
法堂 (重要文化財)
仏殿の次に見えてくる大伽藍が、法堂(はっとう)です。
江戸時代の1656年の建立で、重要文化財に指定されています。
この法堂の天井では、狩野探幽(かのうたんゆう)によって描かれた迫力満点の雲龍図(うんりゅうず)を見ることができます!
この絵は、どの場所から見ても龍の目線を感じられることから「八方睨みの龍(はっぽうにらみのりゅう)」とも呼ばれています。
またこの法堂には、698年の飛鳥時代の製造年が刻印された日本最古とも言われる梵鐘が収められています。
こちらの梵鐘は国宝に指定されているので、忘れずに拝んでいきたいですね!
建物内部の写真撮影は禁止ですので、ぜひ実際に行ってみてください!
勅使門から一直線に伸びる三門、仏堂、法堂の三つの大伽藍の並びは、いつ見ても圧巻です!
さすが「日本最大の禅寺」というキャッチフレーズは伊達ではありません!
寝堂 (重要文化財)
法堂と渡り廊下で繋がっている小さな建物は、寝堂(しんどう)と呼ばれています。
江戸時代の1656年の建立で、重要文化財に指定されています。
元々は客間としての役割があったそうですが、現在では法堂で開催される法要などの際の控え室として利用されているそうです。
玄関 (重要文化財)
法堂の奥には大方丈への入り口である玄関(げんかん)があります。
江戸時代の1654年の建立で、重要文化財に指定されています。
大方丈への拝観はこの玄関で受付を行い、約20分間隔でガイドさんが内部を案内してくれます。
大方丈 (重要文化財)
玄関をくぐり中に入ると、檜皮葺のとても立派な建物である大方丈(おおほうじょう)が見えてきました。
こちらは江戸時代の1654年の建立で、重要文化財に指定されています。
内部のお部屋には、狩野派による障壁画が飾られていました。
大方丈庭園 (史跡・名勝)
大方丈の眼前には、大方丈庭園(おおほうじょうていえん)が広がります。
苔が配された詫びた風情の枯山水庭園で、国の史跡・名勝に指定されています。
有料拝観では、この大方丈を見た後に先ほど紹介した法堂の内部拝観に向かうことになります。
小方丈 (重要文化財)
大方丈の東側には、小方丈(こほうじょう)という少し小さめの建物がありました。
こちらも大方丈と同じく江戸時代の1654年の建立で、重要文化財に指定されています。
小方丈の内部は、残念ながら一般公開はされていないそうです。
小方丈庭園 (史跡・名勝)
小方丈の眼前に広がる小方丈庭園(こほうじょうていえん)は、国の史跡・名勝に指定されています。
庫裏 (重要文化財)*
大方丈の北側にそびえる建物が、庫裏(くり)です。
内部は、土間と大庫裏、小庫裏というお部屋に分かれています。
こちらは大方丈より少し前、江戸時代の1653年の建立で、重要文化財に指定されています。
微妙殿
大方丈の奥には昭和時代の1981年に建てられた微妙殿(みみょうでん)があります。
こちらの建物では、法要などが執り行われます。
鐘楼
大方丈の西側には、妙心寺の鐘楼(しょうろう)が佇んでいます。
江戸時代の1696年の建立で、元々は飛鳥時代の698年に製造された日本最古の梵鐘が吊られていました。
現在は二代目の鐘楼が吊られており、国宝である初代の鐘楼は法堂に収蔵されています。
経蔵 (重要文化財)*
少し参道を南門側に戻ると、仏殿の東側に位置する経蔵(きょうぞう)が見えてきます。
江戸時代の1674年の建立で、重要文化財に指定されています。
内部には回転式の経典である輪蔵(りんぞう)が納められており、これを回転させると納められているすべてのお経を読んだのと同義になるとされています。
浴室 (重要文化財)*
経蔵の南側には、浴室(よくしつ)があります。
江戸時代の1656年の建立で、重要文化財に指定されています。
禅の修行では、こうした浴室で身を清めることも立派な修行の一環だったんだとか。
浴室の内部は、檜(ひのき)でできたいわゆるサウナ風呂になっていました!
蓮池
妙心寺境内の東側には蓮池(はすいけ)があり、その中央には宝蔵が建てられています。
この蓮池は名前の通り睡蓮の名所だったんですが、いつの頃からか見られなくなっていました。
これで、妙心寺の主な見どころを全て見ることが出来ました!
訪問の感想としては、圧巻の大伽藍が並ぶ様子と法堂の雲龍図のスケールは圧倒的で、日本一の禅寺というキャッチフレーズは伊達ではないな!というものでした。
京都市内の北部に位置し、それほど観光客で混雑することもないので、特に昔ながらの仏教建築が好きな方にはたまらないスポットだと思います。
皆さんも是非行ってみてくださいね!
妙心寺の塔頭
妙心寺には40以上もの塔頭寺院があります。
その中で、私が実際に訪れた事のある塔頭の紹介記事を以下にリンクしますのでご興味がある方はぜひ訪れてみてください。
■退蔵院(通年公開)
■桂春院(通年公開)
■天球院(限定公開)
■龍泉庵/龍泉菴(限定公開)
■麟祥院(限定公開)
■養徳院(限定公開)
■大雄院(限定公開)
妙心寺の写真
妙心寺の御朱印
妙心寺では、ご本尊である「釈迦如来(しゃかにょらい)」の御朱印を頂きました。
御朱印は大方丈の入口の受付で頂く事が出来ます。(300円)
妙心寺への行き方/アクセス方法
最寄り駅はJR花園駅または嵐電北野線 妙心寺駅です。
京都駅、京都河原町駅、祇園四条駅からバスで行くことも出来ます。
大阪駅から花園駅へのルート例(電車)
①JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、JR嵯峨野丸線に乗り換え。
②JR嵯峨野線で「京都駅」から「花園駅」へ。
なんば駅から花園駅へのルート例(電車)
①大阪メトロ御堂筋線で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線に乗り換え。
②JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、JR嵯峨野丸線に乗り換え。
③JR嵯峨野線で「京都駅」から「花園駅」へ。
京都駅から花園駅へのルート例(電車)
①JR嵯峨野線で「京都駅」から「花園駅」へ。
花園駅からの徒歩ルート例
徒歩約6分(400 m)です。
妙心寺駅からの徒歩ルート例
徒歩約5分(300 m)です。
京都駅からバスに乗る場合
「京都駅前 乗り場D3」から京都市バス「26系統」に乗車、「妙心寺北門前」で下車。
バス会社:京都市バス
行先・系統:26系統[北野白梅町 御室仁和寺・山越行き]
乗車バス停:京都駅前[乗り場D3]
降車バス停:妙心寺北門前
運賃:230円
所要時間:約42分
京都河原町駅からバスに乗る場合
「四条河原町 乗り場A(南行き)」から京都市バス「10系統」に乗車、「妙心寺北門前」で下車
バス会社:京都市バス
行先・系統:10系統[北野天満宮 御室仁和寺・山越行き]
乗車バス停:四条河原町[乗り場A 南行き]
降車バス停:妙心寺北門前
運賃:230円
所要時間:約43分
祇園四条駅からバスに乗る場合
「四条京阪前 乗り場C」から京都市バス「10系統」に乗車、「妙心寺北門前」で下車。
バス会社:京都市バス
行先・系統:10系統[北野天満宮 御室仁和寺・山越行き]
乗車バス停:四条京阪前[乗り場C]
降車バス停:妙心寺北門前
運賃:230円
所要時間:約40分
タクシーで行く場合
京都駅から:約3,000円(約20分)
京阪 祇園四条駅から:約2,800円(約15分)
・タクシー運転手に行き先を告げたい場合
・タクシーを呼びたい場合
タクシー配車連絡先(京都駅周辺)
妙心寺周辺のホテル検索/予約
日時を選択してクリックすれば、周辺ホテルの「最安値プラン」を自動的に検索します。
いかがでしたか?
それでは楽しい旅を!