龍吟庵(りょうぎんあん)は、京都市東山区にある臨済宗東福寺派のお寺です。

ここは京都有数の禅寺であり、京都五山の第四位に列する東福寺(とうふくじ)の塔頭の一つ。

東福寺の大僧/無関普門(むかんふもん)の僧房であり、最も格式高い塔頭とされるこの龍吟庵は、不定期に開催の特別拝観期間にのみその境内が公開されます。

そんな龍吟庵の見どころは、「国宝指定の方丈と、モダンなデザインの庭園が織りなす光景」!

国宝指定の室町時代の建築と、昭和時代のモダンなデザインの庭園のコントラストは見事の一言。

「700年の時を紡いだ建築と庭園の融合を見たければ龍吟庵へ」!

今回はそんな龍吟庵を訪れてみました。


龍吟庵の歴史

では、まずはじめに龍吟庵の歴史と覚えておきたいポイントを一緒に見て行きましょう!


この龍吟庵(りょうぎんあん)は、東福寺に25ある塔頭寺院の一つ。

鎌倉時代の1291年に、東福寺の第三世/無関普門(むかんふもん)により創建されました。

無関普門は大明国師(だいみょうこくし)とも呼ばれた臨済宗の高僧で、その晩年をこの龍吟庵で過ごしたといわれています。

はい、この龍吟庵は無関普門の終の住処としての役割を持つ場所だったんですね。


では、このお寺と関わり深いお坊さんだった無関普門(むかんふもん)さんについてちょっと詳しく見て行きましょう!

彼は今の長野県にあたる信濃国(しなののくに)に生まれ、十三歳で出家。

1251年に中国の宗(そう)王朝に禅の修業のために赴き、約10年という長きに渡り修行。

その成果もあり、帰国後の1281年に正式に東福寺(とうふくじ)の住持を務めることとなります。

1291年には、京都にある禅寺の中で最も格式が高いとされる南禅寺(なんぜんじ)創建の際に、亀山法皇が直々にこの無関普門を南禅寺の初代住職として招き入れるほどの人物となりました。

この時のエピソードがちょっと面白いんです。

無関普門さんはその当時、日本で有数の「ゴーストバスター」として有名だったんです。


ゴーストバスターなんて嘘だろって?

いやいや、本当なんです。

かの南禅寺、元々は「亀山殿(かめやまどの)」という亀山上皇(かめやまじょうこう)が暮らしていた離宮だったことは良く知られています。

しかし、その離宮にはなんと夜な夜な「悪霊」が出没するいわくつきの建物だったんだとか!

びっくりした亀山上皇、まずは当時ゴーストバスターの第一人者であり奈良の西大寺を復興した手腕を持つ叡尊上人(えいそんじょうにん)に悪霊退治を頼むことに。

叡尊さんは真言律宗という由緒正しき真言密教のお坊さま、派手な密教の儀式によって悪霊を退治することに!

亀山上皇「悪霊がわんさか部屋にでてくる!何とかせんと…。」

亀山上皇「せや、奈良の偉い密教の坊さんに頼れば何とかしてくれるんとちゃうか?助けて叡尊はん!」

叡尊「任せなはれー。古の奈良に受け継がれる密教の派手な儀式でぱーっと退治したるぜ!シャンシャンシャーン!」

悪霊「お、何か派手な儀式で楽しそうや!ワシらもまぜてくれ。ガハハハハ!!」

京都に根付く悪霊は、その土地がら派手な儀式が大好きだったらしく悪霊退治はあえなく失敗!

叡尊「あかーん、京都の悪霊とは相性悪いわ!もう帰ろ!」

亀山上皇「おいこらー!勝手に帰らんでくれー!」


てことで、困った亀山上皇が次に頼ったのが無関普門さん。

叡尊さんとは異なり、の地道な修業によって悪霊を退治しようとしました!

亀山上皇「無関普門はん、もう頼れるゴーストバスターはあんたしかおらんのや!まじ助けてーな。」

無関普門「任せとき!この地の悪霊は派手な儀式やなしに地道に修行して汗かかなあかんのや!」

無関普門「うぉおお、修行!修行!修行!悪霊退散ー!」

悪霊「うげー!汗臭いおっさんが毎日修行して居心地悪いから出て行こう…。」

・・・てことで、悪霊を退治することに成功!

このゴーストバスターに感銘を受けた亀山上皇はその後自分の離宮を禅寺に改築し、できたお寺が南禅寺(なんぜんじ)なんです。

で、当然その初代住職には悪霊退散に成功したゴーストバスター無関普門さんを招きました。

しかし、ゴーストバスターで力を使い果たしたのか、無関普門さんは南禅寺に入ってすぐに重い病気になってしまいました。

そのため、晩年は慣れ親しんだ東福寺の境内の一角にお屋敷を立てて余生を過ごすことに。

そのお屋敷こそが、何を隠そう今回紹介するこの龍吟庵(りょうぎんあん)なんです!

教訓「何事も、派手なふるまいよりも地道な努力が身を結ぶ!」

おしまい。

東福寺の歴史についても知っておこう!

塔頭である龍吟庵だけではなく、大本山である「東福寺(とうふくじ)」にも興味がある人はぜひ上記の記事も見てくださいね!


龍吟庵について

龍吟庵は通常非公開であり、不定期に開催される特別拝観期間のみ拝観が可能です。

下記の情報は、2017年春の特別拝観時のものを参考にしています。


お寺の詳細

住所:〒605-0981 京都府京都市東山区本町15-812
連絡先:075-561-0087
創建:1291年
開基:無関普門(むかんふもん)
宗派:臨済宗東福寺派
ご本尊:大明国師(だいみょうこくし)

拝観時間

9:00~16:00

拝観料

高校生以上 500円
小中学生 300円

その他注意点

・写真/動画撮影可能な場所や、一脚/三脚の利用可否は必ず係員に確認しましょう。

・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてくださいね。


では次に、龍吟庵の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!

龍吟庵の見どころ

龍吟庵の地図

*のついている見どころは有料エリアです。

偃月橋 【重要文化財】

この龍吟庵(りょうぎんあん)は、東福寺境内の北東に位置します。

東福寺の境内を進んでいくと、境内を流れる洗玉澗(せんぎょくかん)という小川にかかる偃月橋(えんげつきょう)が見えてきます。


この橋は、安土桃山時代の1603年の建立で、重要文化財に指定されています。

特別公開時には、だいたいこの橋のたもとに公開の看板が掲げられています。


日本百名橋の一つにも数えられているこの偃月橋を渡り、龍吟庵へ足を進めます!

表門 【重要文化財】

偃月橋を渡り終えた道の突き当りに、龍吟庵の表門(おもてもん)が佇んでいました。

安土桃山時代の建築物で、重要文化財に指定されています。


表門は現在開かずの門となっているため、拝観の受付は右手にある通用門で行います。

では、龍吟庵の境内にお邪魔しましょう!

方丈 【国宝】*

境内を進むとまず見えてくるのが、国宝に指定されている方丈(ほうじょう)です!

室町時代の1387年の建立で、現存する最古の方丈建築と言われています。


入母屋造り重厚な建物は、600年以上の時が経過しているとは思えないほどしっかりとした形を残していました。

あの悪名高い応仁の乱(おうにんのらん)の戦火にも耐えた貴重な遺構なので、国宝に指定されているのも納得です。

京都市内の神社仏閣の建築物は、ほとんど応仁の乱の後に再建されたものですからね…。


龍吟庵のパンフレットより

方丈に掲げられている扁額の文字は、室町幕府の三代将軍/足利義満(あしかがよしみつ)の筆によるものなんだとか。

無の庭(南庭)*

方丈の南側に広がる庭園は、「無(む)の庭」


白砂の枯山水以外に何も無いという非常に簡素でありつつも、「無の境地」という禅のメッセージが強烈に込められている庭園ですね!

龍吟庵の庭園は、いずれも昭和時代の1964年に重森三玲(しげもりみれい)氏により作庭されたものです。

龍の庭(西庭)*

方丈を西側に回り込むと見えてくるのが、「龍(りゅう)の庭」

天に突き出した3つの石組みが龍の頭部と角、白砂と黒砂で湧き立つ雲海を表現したダイナミックな庭園です。


点在する岩で龍の胴体が表現されており、まるでとぐろを巻きながら雲海を泳ぐ龍の姿が目に浮かぶような衝撃を受ける見事な庭園でした!

不離の庭(東庭)*

方丈をぐるりと一周すると最後に見えてくるのが、「不離(はなれず)の庭」

方丈と庫裏の間に位置し、京都の北方にある鞍馬山の赤岩を砕いて作った赤砂が一面に敷き詰められている非常に珍しい庭園です。


このお庭は、無関普門が幼少の頃に山で狼に襲われた際に2匹の犬が身を挺して守ったと言う故事を表現しています。

中央に横たわる石が無関普門、両隣の石が彼を守護する犬、その他の石が彼を襲う狼なんだそうです。

犬が離れることなく守っている様なので、「不離(はなれず)の庭」なんですね!

開山堂*

龍吟庵のパンフレットより

方丈の裏手には、お寺の開山である無関普門の像を祀る開山堂(かいざんどう)があります。

訪問時、このお堂は写真撮影禁止でした。

庫裏 【重要文化財】

方丈の東側に位置し、渡り廊下で連結されている建物が庫裏(くり)です。

安土桃山時代の1603年の建立で、重要文化財に指定されています。


これで、龍吟庵の主な見どころは見て回りました!

何よりも昭和時代の名作庭家である重森三玲氏が手掛けた三つの異なる庭園は、おのおの禅のメッセージ性が強く打ち出されており、心に残りました!

是非行ってみてくださいね。


龍吟庵の写真

龍吟庵の動画

龍吟庵の境内と庭園:Ryogin-an (sub-temple of Tofuku-ji)

龍吟庵の御朱印

龍吟庵の御朱印の墨書きは、禅僧の道元(どうげん)が記したの思想書の名前である正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)です。

龍吟庵への行き方/アクセス方法

龍吟庵の地図

龍吟庵は東福寺の境内にあり、最寄り駅はJR/京阪東福寺駅です。

東福寺駅からは徒歩約15分(700m)です。

京都駅、京都河原町駅、 祇園四条駅からバスで行くことも出来ますが、電車で行くことをおすすめします。


大阪駅から東福寺駅へのルート例(電車)

乗換え案内サイト

①JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、JR奈良線に乗り換え。

②JR奈良線で「京都駅」から「東福寺駅」へ。


なんば駅から東福寺駅へのルート例(電車)

乗換え案内サイト

①大阪メトロ御堂筋線で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線に乗り換え。

2JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、JR奈良線に乗り換え。

3JR奈良線で「京都駅」から「東福寺駅」へ。


京都駅から東福寺駅へのルート例(電車)

乗換え案内サイト

①近鉄奈良線で「京都駅」から「東福寺駅」へ。


東福寺駅からの徒歩ルート例

徒歩約15分(700 m)です。


京都駅からバスに乗る場合

バス乗換え案内

「京都駅前[乗り場D2]」バス停から京都市バス「208系統」に乗車、「東福寺」バス停で下車。

バス会社:京都市バス
行先・系統:208系統[泉涌寺・東福寺行き]
乗車バス停:京都駅前[乗り場D2]
降車バス停:東福寺
運賃:230円
所要時間:約16分


「京都駅前[乗り場C4]」バス停から京都市バス「南5系統」に乗車、「東福寺道」バス停で下車。

*このバスは本数が少ないです。

バス会社:京都市バス
行先・系統:南5系統[稲荷大社・竹田駅東口行き]
乗車バス停:京都駅前[乗り場C4]
降車バス停:東福寺道
運賃:230円
所要時間:約11分


京都河原町駅からバスに乗る場合

バス乗換え案内

「四条河原町[乗り場E東行き]」バス停から京都市バス「207系統」に乗車、「東福寺」バス停で下車。

バス会社:京都市バス
行先・系統:207系統[清水寺・東福寺行き]
乗車バス停:四条河原町[乗り場E東行き]
降車バス停:東福寺
運賃:230円
所要時間:約20分


祇園四条駅からバスに乗る場合

バス乗換え案内

「四条京阪前[乗り場2東行き]」バス停から京都市バス「207系統」に乗車、「東福寺」バス停で下車。

バス会社:京都市バス
行先・系統:207系統[清水寺・東福寺行き]
乗車バス停:四条京阪前[乗り場2東行き]
降車バス停:東福寺
運賃:230円
所要時間:約18分


タクシーで行く場合

京都駅から:約1,500円(10分)

祇園四条駅から:約1,700円(約10分)

・タクシー運転手に行き先を告げたい場合

tofukuji-32

・タクシーを呼びたい場合

taxi-call

タクシー配車連絡先(京都駅周辺)


龍吟庵周辺のホテル検索/予約

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いかがでしたか?

それでは楽しい旅を!