金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)は、京都市左京区にある浄土宗七大本山の一つです。
お寺がある「黒谷(くろだに)」の地は、浄土宗の開祖・法然上人(ほうねんしょうにん)が初めて念仏道場を開いた場所。
地元では親しみを込めて「黒谷さん」とも呼ばれています。
また、江戸時代末期の混乱から京都を守護する組織、後の「新選組(しんせんぐみ)」を配下に置いた「京都守護職(きょうとしゅごしょく)」の本陣が置かれた場所としても有名です。
そんな金戒光明寺の見どころは、「浄土真宗最初門の額が掲げられた巨大な山門」!
現在の日本でも600万人以上が信仰するとされる、「浄土宗」の根源地としての風格を感じ取ることができます。
また、京都の「春の桜」や「秋の紅葉」の名所としても知られていますよ!
今回はそんな金戒光明寺を訪れてみました。
金戒光明寺の歴史
では、まずはじめに金戒光明寺の「歴史」と「訪問する際に知っておきたいポイント」を一緒に見て行きましょう!
金戒光明寺は、平安時代末期の1175年(承安五年)に浄土宗の開祖・法然上人(ほうねんしょうにん)がこの地に浄土宗として初めての念仏道場を建立したことが起こりです。
創建当初は「紫雲山光明寺(しうんざんこうみょうじ)」という名前でした。
南北朝時代に後光厳天皇(ごこうごんてんのう)がこの地で戒律を授かった縁で「金戒(こんかい)」の文字をお寺に授けたことから、「金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)」と呼ばれるようになりました。
ちなみに戒律を授かるとは、「仏門に入る=出家する」ことを指します。
1428年(正長元年)には北朝最後の天皇である後小松天皇(ごこまつてんのう)より、
「浄土教の教えはここから実践されて広まったんだよね!すごいね!」
との実績が認められ、「浄土真宗最初門」の文字がお寺に授けられました。
この文字は、お寺のシンボルでもある山門の扁額にも堂々と刻まれていますよ!
だがしかし!
金戒光明寺は「浄土宗」なのに、「浄土真宗最初門」?
なんで?
そんな違和感を覚えた方もいるんじゃないでしょうか?
私も最初にこの門の扁額を見たときには、そんな違和感を覚えた一人です。
てことで、境内にいらっしゃったお寺の関係者の方に理由を聞いてみました。
いろいろ教えてくださったんですが、要約するとこの言葉は、
「日本における「浄土教」のおこりは、法然上人がこの地で念仏を唱えたことから始まった。」
「宗派である「浄土真宗」は、浄土宗の教えをもとにした「浄土教」の一つ。」
「だから、日本における浄土教の真(根本)の教えはここから始まったと言えるんだよ。」
「てことで、この言葉は宗派である「浄土真宗」とは関係ないんだよ。」
なんだそうです。
なるほどー、すっきりしました。( *´艸`)
おしまい。
金戒光明寺について
山門や御影堂の内部、方丈庭園は通常非公開です!
京都の各季節に開催される「特別拝観期間」にのみ、一般公開される場合があります。
(金戒光明寺の境内自体は、いつでも自由に参拝可能です。)
■京都の特別拝観情報
以下は、「2018年秋の特別拝観」の際の情報です。
■お寺の詳細
住所:〒606-8331 京都市左京区黒谷町121
連絡先:075-771-2204
創建:1175年(平安時代/承安五年)
開基:法然上人(ほうねんしょうにん)
宗派:浄土宗(じょうどしゅう)
本尊:阿弥陀如来(あみだにょらい)
■拝観時間
9:00~16:00
■拝観料
中学生以上 | 小学生 | |
御影堂/大方丈/庭園 | 600円 | 300円 |
山門 | 800円 | 400円 |
御影堂/大方丈/庭園/山門セット券 | 1200円 | 600円 |
■その他注意点
・建物内部の写真撮影は禁止です。
・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてください。
では次に、金戒光明寺の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!
金戒光明寺の見どころ
*のついている見どころは有料エリアです。
高麗門
大きな二本の柱に、城郭を思わせる切妻屋根を乗せた入り口の高麗門(こうらいもん)。
江戸時代の1860年の建立で、2015年に修復再建されています。
山門*
境内に堂々と佇む山門(さんもん)は江戸時代末期の1860年(万延元年)の再建で、京都府指定文化財です。
後小松天皇(ごこまつてんのう)より贈られた、「浄土真宗最初門」の扁額が掲げられています。
山門近くには多くの「桜」や「楓」が植えられており、春や秋には見事な景色を見ることができますよ!
御影堂*
1944年(昭和一九年)に再建された御影堂(みえいどう)、大殿(だいでん)とも呼ばれています。
登録有形文化財に指定されています。
御影堂には、宗祖である「法然上人(ほうねんしょうにん)」を中心に、脇侍として「吉備観音(きびかんのん)」と「中山文殊(なかやまもんじゅ)」が祀られています。
そのためこの地は「法然上人二十五霊場」の第二四番霊場、「洛陽三十三所観音霊場」の第六番霊場でもあります。
大方丈*
御影堂と同じく1944年(昭和一九年)に再建された大方丈(おおほうじょう)。
登録有形文化財に指定されています。
玄関
大方丈東側にあり、寺務所へと続く玄関(げんかん)。
登録有形文化財に指定されています。
唐門*
大方丈の南正面に建つ、1936年(昭和一一年)ごろに再建された唐門(からもん)。
登録有形文化財に指定されています。
方丈北庭*
方丈北側に広がる、方丈北庭(ほうじょうきたにわ)。
沢山の楓が配された池泉回遊式の庭園で、秋になると非常に綺麗な紅葉を楽しむことができます!
ご縁の庭*
方丈北庭を進むと見えてくる、ご縁の庭(ごえんのにわ)。
このお庭は2012年にNHKの「仕事ハッケン伝」という番組で、「お笑い芸人の麒麟・川島明さん」が作庭されたんだとか!
二つの道が一つにながるデザインで、仏教の基本的な考え方である「ご縁」を表現しているんだそうです。
紫雲の庭*
方丈の東側に広がる、白砂と杉苔を配した枯山水庭園の紫雲の庭(しうんのにわ)。
2011年(平成13年)に、「法然上人八百年大御遠忌記念」として作庭されました。
庭園に配されている庭石は、法然上人やその弟子たちを表現。
またそれぞれの苔島では、法然上人が生きた「幼少時代/美作の国(岡山県)」「修行時代/比叡山延暦寺」「浄土開宗/金戒光明寺の興隆」の風景を表現しているそうです。
紫雲亭*
紫雲の庭に佇む茶室、紫雲亭(しうんてい)。
花峯庵*
紫雲亭の隣に佇む茶室、花峯庵(かほうあん)。
特別公開期間中は、ここでお抹茶の接待が行われることがあります。
阿弥陀堂
御影堂の東側に建つ阿弥陀堂(あみだどう)は江戸時代初期の1612年(慶長十年)に豊臣秀頼の寄進による再建で、京都府指定文化財です。
境内で最も古い歴史を持つ建物で、ご本尊である「阿弥陀如来」が祀られています。
納骨堂
阿弥陀堂の脇に建つ納骨堂(のうこつどう)は江戸時代の1689年(元禄二年)の建立です。
2011年(平成二三年)に大修理が行われ、納骨された骨で組まれた「阿弥陀如来」をご本尊としています。
三重塔【重要文化財】
境内東側にある墓地の奥、高台にそびえる三重塔(さんじゅうのとう)です。
江戸時代の1633年(寛永十年)の建立で、重要文化財に指定されています。
会津墓地
三重塔よりさらに境内北側に進んだ場所にある、会津墓地(あいづぼち)。
京都守護職(きょうとしゅごしょく)に任命された会津藩主・松平容保(まつだいらかたもり)に従い、幕末の混乱から京都を守護すべく奮闘した会津藩士の墓地です。
かの有名な新選組(しんせんぐみ)は、この京都守護職の治安部隊の一つがその前身なんですよ。
円光大師御廟所
江戸時代の1676年(延宝四年)に再建された円光大師御廟所(えんこうだいしごびょうしょ)。
「円光大師(えんこうだいし)」は法然上人のおくり名であり、この廟所に遺骨の一部が祀られています。
五劫思惟阿弥陀仏
三重塔への階段脇、境内墓地の左手あるひときわ目を引く「五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)」。
通称「アフロ大仏」とも言われているとか・・・w
真面目な話をすると、「五劫思惟(ごこうしゆい)」とは「阿弥陀仏が衆生(私たちのこと)をどう助けるかを長期間思い悩んでくださる」こと。
悩みに悩んだ阿弥陀様、気が付くとすっかり髪の毛が伸びちゃっていたそうで、この仏像はそんな様子を表しているんです。
私たちのためにこんな頭になった阿弥陀様に合掌。
北門
金戒光明寺の桜
特に山門周辺がおすすめです。
その年の気候により変わりますが、だいたい「4月上旬」が見ごろとなります。
金戒光明寺の紅葉
特に三重塔から塔頭の西雲院、会津墓地への道が超おすすめです。
その年の気候により変わりますが、だいたい「11月下旬~12月上旬」が見ごろとなります。
金戒光明寺の動画
金戒光明寺の写真
金戒光明寺の御朱印
金戒光明寺の御朱印は、浄土宗/念仏発祥の地を表す「浄土真宗最初門(じょうどしんしゅうさいしょもん)」の墨文字です。
金戒光明寺への行き方/アクセス方法
金戒光明寺の最寄り駅は「京阪 神宮丸太町駅」です。
「京都駅」や「阪急 河原町駅」からバスで行くことも出来ます。
梅田駅(大阪駅)からのルート例
①大阪メトロ御堂筋線で「梅田駅」から「淀屋橋駅」へ行き、京阪電車に乗り換え。
②京阪電車で「淀屋橋駅」から「神宮丸太町駅」へ。(特急が便利です。)
なんば駅からのルート例
①大阪メトロ御堂筋線で「なんば駅」から「淀屋橋駅」へ行き、京阪電車に乗り換え。
②京阪電車で「淀屋橋駅」から「神宮丸太町駅」へ。(特急が便利です。)
京都駅からのルート例
①JR奈良線で「京都駅」から「東福寺駅」へ行き、京阪電車に乗り換え。
②京阪電車で「東福寺駅」から「神宮丸太町駅」へ。
最寄り駅「神宮丸太町駅から」のルート例(徒歩)
約1.2km、徒歩25分です。
京都駅からバスで行く場合
「京都駅前バス停D1乗り場」から「京都市バス100系統」に乗車、「岡崎道」で下車。
バス会社:京都市バス
行先・系統:100系統【急行】[清水寺・銀閣寺行き]
乗車バス停:京都駅前[乗り場D1]
降車バス停:岡崎道
運賃:230円
所要時間:約29分
■[時刻表]100系統【急行】[清水寺・銀閣寺行き]
阪急河原町駅からバスで行く場合
「四条河原町H乗り場」から京都市バス「5系統」か「32系統」に乗車、「東天王町」で下車。
バス会社:京都市バス
行先・系統:5系統[銀閣寺・岩倉行き]
乗車バス停:四条河原町[乗り場H北行き]
降車バス停:東天王町
運賃:230円
所要時間:約20分
■[時刻表]5系統[銀閣寺・岩倉行き]
バス会社:京都市バス
行先・系統:32系統[平安神宮・銀閣寺行き]
乗車バス停:四条河原町[乗り場H北行き]
降車バス停:岡崎道
運賃:230円
所要時間:約15分
■[時刻表]32系統[平安神宮・銀閣寺行き]
タクシーで行く場合
京都駅から:約2300円 (約20分)
河原町駅/祇園四条駅から:約1200円(約10分)
・タクシー運転手に行き先を告げたい場合
・タクシーを呼びたい場合
[タクシー配車連絡先: 京都駅周辺]
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いかがでしたか?
それでは楽しい旅を!( *´艸`)