来迎院(らいごういん)は、京都市左京区大原にある天台宗の寺院です。

この大原の地は、昔から「魚山声明(ぎょざんしょうみょう)」という仏教声楽(念仏)の聖地でした。

この来迎院は、北にある勝林院(しょうりんいん)と合わせて「魚山大原寺(ぎょざんだいげんじ)」と言う大きな念仏道場の場として栄えました。

中興の祖である聖応大師・良忍(りょうにん)は、このお寺で修行した声明(念仏)を発展させ、新たな宗派である融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう)を興した人物です。

まさに、日本における念仏の発展と普及の基礎を担ったお寺なんですね。

そんな来迎院の見どころは、「平安時代に作られた薬師/阿弥陀/釈迦の三尊像」!

1000年を超える歴史を刻んでなお、輝きを失わない三尊は見応えたっぷりです!

今回はそんな来迎院を訪れてみました。


来迎院の歴史

では、まずはじめに来迎院の歴史訪問する際に知っておきたいポイントを一緒に見て行きましょう!


来迎院の参道にある看板
来迎院の参道にある看板

来迎院は、平安時代前期に慈覚大師・円仁(えんにん)がこの地に建立した天台声明(てんだいしょうみょう)の道場がその起こりと言われています。

この京都大原の地は、言わずと知れた天台宗総本山・比叡山延暦寺(えんりゃくじ)のお膝元。

そのため、昔から天台宗及び天台声明の修行道場が数多く建立され隆盛を極めた地なんです。

よって、この地にある三千院(さんぜんいん)をはじめ、勝林院(しょうりんいん)宝泉院(ほうせんいん)実行院(じっこういん)なども、すべてこの天台声明の発展に寄与したお寺さんなんです。


来迎院-参道口の門
来迎院-参道口の門

来迎院が声明道場から正式にお寺となったのは平安時代の1109年。

後に聖応大師(しょうおうだいし)と称され、融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう)の開祖となる良忍(りょうにん)により正式にお寺として建立されたと言います。

現存する本尊の薬師/釈迦/阿弥陀の三尊像は、このとき既にお寺に迎えられていたんだとか!

よって、創建当時のお寺は「三尊院(さんぞんいん)」と称されていました。


来迎院の歴史を刻むこま札
来迎院の歴史を刻むこま札

その後この大原の地には、沢山の天台宗のお寺や修行道場が建立されました。

中でもこの来迎院を上院、北にある勝林院を下院とした「魚山大源寺(ぎょざんだいげんじ)」は大原随一の広さを誇る巨大な寺院だったんだとか。

その後お寺の伽藍は火事で幾度も焼失するも、室町/戦国時代の1533年に本堂が再建されてからは、その姿を現在まで残しています。


来迎院-聖応大師良忍御廟の石碑
来迎院-聖応大師良忍御廟の石碑

ではここから、このお寺にとって欠かせない人物である中興の祖・良忍(りょうにん)上人について見ていきましょう!

良忍上人は尾張国(現在の愛知県)の生まれで、天台宗の僧となってからは比叡山延暦寺で修行三昧の日々を過ごしていました。

が、平安時代末期の天台宗はいざこざ続き!

「山門寺門の抗争(さんもんじもんのこうそう)」といった大規模なお家騒動が勃発するなど、修行に身が入らない状態でした。

てことで良忍さん、そんな抗争を避けるべくこの大原の地に移ります。

良忍「おぃいい、寝ても覚めても権力争いばっかりやんけ!あほらし!」

良忍「なんや近くに大原っちゅう、静かでよさげな田舎があるんやてな。」

良忍「てことでわし、静かに修行したいから田舎に引っ越しますわ。悪しからずー。」

ぴゅーん。


来迎院-参道にある良忍上人絵伝
来迎院-参道にある良忍上人絵伝

そんなこんなで大原の地に引っ越した良忍さん。

この静かな地で念仏の修行に没頭することで、ついに新しい教えにたどりついちゃいます。

良忍「大原とっても良い所!修行にも力が入るわ!南無阿弥陀仏ー!」

良忍「ん!?そういえばワシ、何のために念仏唱えとるんやろか?」

ポクポクポク・・・チーン!(閃いた)。

良忍「それは自分の修行のためだけじゃなく、万人に幸せになって欲しいからやね。」

良忍「ん?てことは念仏を唱えるのは自分のためだけじゃなく、他の人のためにもなるんよね!」

良忍「んん?てことは自分の念仏は他人にも融通(ゆうづう)できるんとちゃうんか!?」

良忍「せや、一人ひとりの念仏は万人の念仏に通じるんやで!」

良忍「よっしゃ、この教えを広めに人が多い大阪に行こ!」

はい、これが融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう)の誕生の瞬間!なんですね。

てことで、この地で生まれた新しい念仏の在り方がその後大阪を中心に融通念仏宗として広まったんだとさ。

おしまい。

*上記内容はあくまで個人の見解であり、内容の正確性を保証するものではありません。

来迎院について

お寺の詳細

住所:〒601-1242 京都府京都市左京区大原来迎院町537
連絡先:075-744-2161
創建:1109年(平安時代)
開基:良忍(りょうにん)
宗派:天台宗(てんだいしゅう)
本尊:薬師・釈迦・弥陀三尊

拝観時間

9:00~17:00

拝観料

期間 拝観料
宝物展開催期間(5月、11月) 500円
その他期間 400円

来迎院の特別拝観
来迎院-特別拝観時に掲げられる看板

上記の通り、寺宝の特別公開期間は拝観料が異なる場合があります。

その他注意点

・写真や動画撮影可能な場所は、必ず係員に確認しましょう。

・神社やお寺の正式な参拝方法は以下の記事を参考にしてください。


来迎院のパンフレット

では次に、来迎院の見どころを訪問時の写真を参考に振り返ってみたいと思います!


来迎院の見どころ

「*」のついている見どころは有料エリアです。

山門

来迎院の山門

では、入り口の山門(さんもん)から境内に入っていきましょう。

来迎院は、この大原の地にあるお寺の中でも特に山深く大自然に囲まれた場所にあります!

会館*

来迎院の会館

入口の山門を抜けると、受付がある会館(かいかん)が見えてきます。

ここから先は有料エリアなので、こちらの窓口で拝観料を支払います。

御朱印もこの窓口で受け付けて頂けますよ!

鐘楼*

来迎院-鐘楼手前の階段

境内に入ると、苔むした階段が続きます。


来迎院の鐘楼

階段を上り終えた先に、鐘楼(しょうろう)があります。

吊られている梵鐘は室町時代の1435年(永享7年)の製作と言われ、京都市指定・登録文化財です。

本堂*

来迎院の本堂

鐘楼の先を進むと、本堂(ほんどう)が見えてきました!

室町時代の1533年(天文2年)に再建されて以来、この地に遺されている建造物です。

現在のお寺の規模から見ると不釣り合いに大きなこの本堂は、その昔ここが天台声明の一大修行の地として栄華を極めたことを証明しているかのようですね。


来迎院-本堂の木札

本堂前には、良忍上人がここで融通念仏を開き布教に努めた証である木札が掲げられていました。

本堂内部には本尊の薬師/釈迦/阿弥陀の三尊をはじめ、様々な寺宝が祀られています。


来迎院-本堂前庭

本堂の前面には、簡素ながらも苔むした緑深い庭園が広がっています。

では、引き続き境内の散策を続けましょう!

鎮守堂*

来迎院の鎮守堂

本堂の右手の石階段を上ると、鎮守堂(ちんじゅどう)が見えてきます。

魚山(ぎょざん)と称された、この大原の鎮守神(ちんじゅがみ)を祀る小さな祠です。

地蔵堂*

来迎院の地蔵堂

鎮守堂のそばには、たくさんのお地蔵様を風雨から守るための質素な地蔵堂(じぞうどう)がありました。

今日も、賽の河原で子供たちをお救いになっているのでしょうか?

良忍御廟【重要文化財】*

来迎院の境内の橋

来迎院の境内には律川(りつせん)という小さな川が流れており、この川の向こう側、境内の一番奥に良忍(りょうにん)上人のお墓があります。


来迎院-無礙燈の石碑

途中には、無礙燈(むげこう)と刻まれた大きな石碑がありました。

無礙燈とは、仏教の用語の一つで「仏様が発する智慧や救済力の光は、何物にも遮られない!」という意味があるんだとか。


来迎院-良忍上人の御廟

境内の一番奥、しーんと静まり返った山深い場所に良忍上人が眠る御廟がありました。

お墓自体は鎌倉時代に建立された三重石塔で、国の重要文化財に指定されています。

如来蔵*

来迎院の如来蔵

良忍上人の御廟からの帰り道、本堂の裏手には如来蔵(にょらいぞう)があります。

これは良忍上人自ら建立を指示した書庫で、ここに所蔵された経典を毎日勉強されていたんだとか!

来迎院の紅葉

来迎院の境内及び周辺は、紅葉の名所としても有名です。

紅葉の見ごろは、毎年11月下旬~12月上旬ごろです!

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来迎院の動画

来迎院の写真

Raigo-in Temple (Sakyo Ward, Kyoto):来迎院(京都市左京区)


来迎院の御朱印

来迎院の御朱印

来迎院の御朱印は、ご本尊の中核を成す「薬師如来(やくしにょらい)」の墨文字です。

来迎院への行き方/アクセス方法

来迎院のある大原には、電車の最寄り駅がありません。

京都駅、河原町駅、国際会館駅や出町柳駅から京都バスに乗車し「大原バス停」で下車、そこから徒歩(約15分)で向かいます。

「国際会館駅」まで電車で行き、そこから「京都バス」に乗車する行き方が一番おすすめです。

この路線を走るバスには「一日乗車券」が使えません!


大阪駅からのルート例(電車)

乗換え案内(電車)

①JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、京都市営地下鉄烏丸線に乗り換え。

②京都市営地下鉄烏丸線で「京都駅」から終点の「国際会館駅」へ。


なんば駅からのルート例(電車)

乗換え案内(電車)

①大阪メトロ(地下鉄)で「なんば駅」から「梅田駅」へ行き、JR京都線に乗り換え。

②JR京都線で「大阪駅」から「京都駅」へ行き、京都市営地下鉄烏丸線に乗り換え。

③京都市営地下鉄烏丸線で「京都駅」から終点の「国際会館駅」へ。


京都駅からのルート例(電車)

乗換え案内(電車)

①京都市営地下鉄烏丸線で「京都駅」から終点の「国際会館駅」へ。


地下鉄 国際会館駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「国際会館駅前 乗り場3」から「京都バス19系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:19系統[大原・小出石行き] 
乗車バス停:国際会館駅前[乗り場3]
降車バス停:大原
運賃:350円
所要時間:約22分

■19系統[大原・小出石行き] の時刻表


京阪 出町柳駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「出町柳駅前 乗り場C」から「京都バス16/17系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:16/17系統[大原行き] 
乗車バス停:出町柳駅前 乗り場C
降車バス停:大原
運賃:430円
所要時間:約33分

■16/17系統[大原行き] の時刻表


阪急 河原町駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「河原町通北行のりば」から「京都バス17系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:17系統[大原行き] 
乗車バス停:河原町通北行のりば
降車バス停:大原
運賃:520円
所要時間:約52分

■17系統[大原行き] の時刻表


JR/地下鉄 京都駅からバスで行く場合

乗換え案内(バス)

「京都駅前 乗り場C3」から「京都バス17系統」に乗車、「大原」で下車。

バス会社:京都バス
行先・系統:17系統[大原行き] 
乗車バス停:京都駅前 乗り場C3
降車バス停:大原
運賃:550円
所要時間:約68分

■17系統[大原行き] の時刻表


最寄りバス停「大原」からのルート例(徒歩)

大原バス停から来迎院までは約750m、徒歩20分です。


タクシーを使う場合

京都駅から:約6600 (約40分)

河原町駅/祇園四条駅から:約5900円(約35分)

国際会館駅から:約3500円(約20分)

・タクシー運転手に行き先を告げたい場合

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・タクシーを呼びたい場合

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[タクシー配車連絡先: 京都駅周辺]


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いかがでしたか?

それでは楽しい旅を!( *´艸`)