無鄰菴(むりんあん)は、京都府京都市左京区にある日本庭園を中心とする施設で、国の名勝に指定されています。
日本軍閥の祖と言われる山縣有朋(やまがたありとも)の別邸であり、1903年(明治36年)に日露開戦直前の外交方針を取り決める「無鄰菴会議」が開催されました。
そんな無鄰菴の見どころは、「明治時代を代表する雄大な日本庭園」!
東山を借景とする池泉廻遊式の庭園では、素晴らしい四季折々の風情を見せてくれます。
庭園や母屋、茶室などが渾然一体となった敷地内は、洛東が誇る景勝地として親しまれています。
近辺には平安神宮や南禅寺といった京都を代表する観光地もあるにも関わらず、団体の観光客が少なく比較的空いているのも嬉しいポイントです!
今回は、そんな無鄰菴を訪れてみました。
目次
1.無鄰菴について
「無鄰菴(むりんあん)」と名づけられた山縣有朋の邸宅は、実は日本に三か所あります。
一つ目は、山縣有朋の故郷である下関に。
二つ目は、現在は日本料理レストランになっている京都の二条大橋「高瀬川二条苑」と呼ばれていたもの。
三つ目が今回紹介するこの場所です。
■開園時間
4月~9月 | 9:00~18:00 |
10月~3月 | 9:00~17:00 |
■入場料
大人 | 600円 |
小学生以下 | 無料 |
*上記は2019年10月1日からの新料金です。
*2019年9月30日までの旧料金は410円(大人)です。
■住所
〒606-8437
京都市左京区南禅寺草川町31
■連絡先
075-771-3909
無鄰菴(むりんあん)は、日本軍閥の祖と言われる山縣有朋(やまがたありとも)が、1894年に造営した別荘です。
無鄰菴は、国の名勝に指定されています。
1903年(明治36年)に、日本の近代史上重要な位置を占めた「無鄰菴会議」が行われた場所としても有名です。
2.山縣有朋について
この無鄰菴は、山縣有朋(やまがたありとも)の別荘として建てられました。
有朋を一言で言うと、明治・大正時代のすごい軍人&政治家。
日本陸軍の基礎を築いた軍人でありつつ、政財界との繋がりもあったことから「日本軍閥の祖」という異名を持つ人物です。
さらに、縁故や身分だけで文官が選ばれないように、文官試験制度を創設するなど、政治家としても大きな功績を残した人物です。
無鄰菴はそんな凄い人が遺してくれた別荘であり、明治時代を代表する建築と庭園を見ることができる場所です。
3.見どころ
では、無鄰菴の見どころを一緒に見ていきましょう!
入り口を入ると左手に受付、右手にくぐり戸があります。
入場口は、このとても小さな潜り戸(くぐりど)です。
中は一体どうなっているのか、想像をかき立てる造りですね。
くぐり戸を抜けると、素晴らしい景色が眼前に広がります!
入り口左手には、数寄屋造り・二階建ての母屋(おもや)があり、その先が日本庭園になっています。
母屋の初期建築は明治二八年(1895年)、明治三十一年(1898年)と大正年間に改築されました。
母屋では、現在「庭園カフェ」が催されているそうですよ!
母屋の室内には、質素ながら自然を感じさせてくれる坪庭が配されています。
掛けられている書は、明治時代の書家・長三洲(ちょうさんしゅう)によって書かれたものだそうです。
母屋の奥には中庭が配されています。
奥には蹲(つくばい)と石燈籠のしつらえ。
禅様式の丸窓に、配された木々の影を楽しめる白壁。
小さく簡素ながらも、本当に楽しませてくれるお庭です。
母屋の一階和室は全面がガラス戸、部屋から日本庭園を一望できる造りです。
寺社仏閣では味わえない、明治時代の建築特有のガラス張りの開放感が本当に素晴らしいですね!
母屋の中には読書室があり、自由に利用することが出来ました!
母屋の先には、近代日本庭園の先駆者と評されている七代目小川治兵衛が手掛けた、池泉廻遊式の庭園が広がります。
山県有朋は庭園を評する際に、「この庭園の主山というはのう、此前に青く聳える東山である。」と言ったとか。
その言葉通り、庭園からは東山を借景とした素晴らしい景色が広がっていました!
この庭園には沢山の楓(カエデ)の木が配されており、秋には素晴らしい紅葉が広がります。
その割にはあまり知られていないので、京都穴場の紅葉スポットでもあるんです!
園内東側は、全面が苔で覆われている苔庭になっており、静かで落ち着きある雰囲気を醸し出しています。
しかし、有朋が遺した「苔によっては面白くないから、私は断じて芝を栽る」という言葉通り、元々は「芝庭」だったんだとか。
その後年月が経過し、生育の良い苔が芝に変わって今の形になったそうです。
時の移ろいを感じさせるエピソードですね!
庭園を流れる川には、沢飛石(さわとびいし)と呼ばれる石が配されています。
沢飛石の奥には、三段の滝(さんだんのたき)が配されています。
この水源は、琵琶湖疎水から引かれているんだとか。
園内には、かなり背の高い楓の木が沢山植えられています。
紅葉真っ盛りの時期に見上げると、とても綺麗なんでしょう!
庭園内に刻まれる「御賜稚松乃記」には、山縣有朋が明治天皇から賜った松の木に関する想い出が綴られているそうです。
庭園には、京都を代表する茶室「薮内燕庵(やぶのうちえんあん)」を模して作られた茶室があります。
明治二十八年(1895年)に移築された建築。
勾欄(こうらん)の設えがある広縁に座り、庭園を望みながらお抹茶を頂くことができます。
和菓子付き(600円)で楽しめるそうなので、スタッフの方に聞いてみてください。
庭園南側に位置する洋館は、明治三一年(1898年)の建築。
「無鄰菴会議(むりんあんかいぎ)」が開催された場所です。
洋館の一階は、資料展示スペースになっています。
日露戦争開戦前、対露交渉の方向性を取り決めた「無鄰菴会議(むりんあんかいぎ)」が開催された部屋があります。
部屋の障壁画は、江戸時代初期の狩野派により描かれた「花鳥図」です。
会議には、山縣有朋(やまがたありとも)、伊藤博文(いとうひろぶみ)、桂太郎(かつらたろう)、小村寿太郎(こむらじゅたろう)といった、当時の日本のトップ四名が出席しました。
この会議の翌年(1904年)に、日本は日露戦争に突入することになります。
戦争はあってはならないことですが、こうした歴史があることで今の日本があることも事実です。
山縣有朋が愛用した机と椅子です。ここで何を想い、苦悩したんでしょうか。
今まで見てきた通りこの無鄰菴を訪れる際は、日本の近代史を勉強してから訪れるとより深く味わうことができますよ!
4.行き方
無鄰菴の最寄り駅は、京都市営地下鉄 「東山駅 」か「 蹴上駅」です。
■大阪駅→東山駅の電車ルート例
■なんば駅→東山駅の電車ルート例
■なんば駅→東山駅の電車ルート例
■地下鉄「東山駅」から徒歩で行く場合
徒歩約10分です。
■京都駅からバスで行く場合
バス会社:京都市バス
行先・系統:100系統【急行】[清水寺・銀閣寺行き]
乗車バス停:京都駅前[乗り場D1]
降車バス停:岡崎公園 美術館・平安神宮前
運賃:230円
所要時間:約26分
■[時刻表]100系統【急行】[清水寺・銀閣寺行き]
■河原町駅(四条河原町)からバスで行く場合
バス会社:京都市バス
行先・系統:京都岡崎ループ系統[ロームシアター京都 みやこめっせ 美術館・平安神宮・動物園行き]
乗車バス停:四条河原町 [のりばA(南行き)]
降車バス停:南禅寺・疏水記念館・動物園東門
運賃:230円
所要時間:約21分
■[時刻表]京都岡崎ループ系統[ロームシアター京都 みやこめっせ 美術館・平安神宮・動物園行き]
■タクシーで行く場合
京都駅から:約2130円 (約15分)
・タクシー運転手に行き先を告げたい場合
・タクシーを呼びたい場合
5.周辺のホテル検索・予約
いかがでしたか?
是非一度足を運んで見て下さい!!
それでは楽しい旅を!( *´艸`)
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