能作ラボ(NOUSAKU LAB)は、富山県高岡市にある「鋳物製作体験」ができる施設です。
富山県高岡市は、実は日本の銅器製造の95%を占める最大の銅器生産地で、製作物は伝統工芸品の「高岡銅器(たかおかどうき)」として親しまれています。
あの高岡市のシンボル、高岡大仏(たかおかだいぶつ)もこの高岡銅器で出来ているんだとか。
大正時代創業の能作(のうさく)は、そんな高岡銅器の老舗メーカーの一つ。
銅器だけではなく、真鍮や錫(すず)を使った身近に使える食器や小物も製造されています。
そして、その中には「お酒が美味しく飲めるぐい呑み」なるものがあり、実は昔から「欲しいなー!」と思っていたんです。
そんな時、「錫(すず)のぐい呑みを作る体験ワークショップがあるよ!」との情報を頂きました。
まじですか!
ということで、ちょっと遠かったですが行ってきました能作ラボ!
能作ラボについて
Webサイト
詳細情報
住所:〒939-1119 富山県高岡市オフィスパーク8-1
電話:0766-63-0222(ショップ)/0766-63-5510(体験予約)
休業日:年末年始
営業時間:10:00~18:00
料金:体験により異なる
駐車場:32台
能作ラボ(NOUSAKU LAB)は、富山県高岡市にある「鋳物(いもの)製作体験」ができる施設です。
錫(すず)製品の製作を、高岡銅器の伝統技法を使って型作りから体験できるとっても貴重な施設!なんですよ。
本格的な鋳物製作体験は、事前の予約が必要です。
ただ、アクセサリーや小物製作体験は当日現地で直接申し込むことも可能です。
鋳物製作体験は、「ぐい呑み」「ハートの小皿」「トレー」「小鉢」「小皿」「箸置き」「チャーム」などを自由に選択可能です!
私ですか?
そりゃ、お酒を美味しく飲みたい一心で当然「ぐい呑み」を選択ですよ!(笑)
作りたいものによって難易度が異なり、大人から子供まで楽しめるようになっているそうです。
ちなみに「ぐい呑み」は最高難度、「箸置き」や「チャーム」などは子供でも楽しめる難易度とのこと。
では、さっそく「鋳物製作体験」を振り返ってみたいと思います!
鋳物製作体験レポート
今回私たちは、「錫(すず)のぐい呑み製作(約90分)」に行ってきました!
簡単なペーパーウェイト製作は約30分、その他製作物はだいたいすべて約90分の体験時間とのことでした。
砂をこねたり型を作ったりするので、「汚れてもよい/動きやすい服装」で行きましょう!
エプロンは、当日無料で貸し出してくれました。
訪問/入館
ほとんどの製作体験は、「10:00」「13:00」「15:00」スタートになっています。
今回私たちは、13:00~スタートの「錫のぐいのみ製作(90分)」に申し込みました。
大阪の自宅を8:00に出発、約4時間で目的地に到着!です。
施設は自由に出入り可能です。
ちなみに、能作ラボは「高岡市オフィスパーク」という敷地内にあり、周辺には高岡法科大学などがあります。
ただ、周辺にはコンビニや飲食店が全くありませんでしたので、食事/カフェは能作ラボ内にある「IMONO KITCHEN」を利用しましょう。
その場所柄、基本的には車で訪問する施設なので、駐車場は目の前にたくさんありました。
奥には大きな観光バスが駐車できるスペースもありました。
入口には、高岡の職人さん100人によって製作された「曽呂利(そろり)」という花瓶の展示が!
もともとは、茶室を彩るお花を飾る「茶道具の一つ」なんだとか。
1つ1つ色合いから絵づけまですべて異なっており、ちょっとした博物館に来たような感覚を受けました。
こうした技術を今から体験できるとなると、ちょっとワクワクしますね!
能作ラボ探検
体験までちょっと時間があったので、能作ラボを探検してみました。
鋳物の歴史や内容を学べる「展示コーナー」と「ムービーコーナー」です。
ひとえに鋳物と言っても、どんな種類があり何を使ってどう作っていくのか、詳しく知ることができました!
能作が、過去に手掛けた様々な鋳物製作に利用した「木型」をずらっと並べたコーナー。
花瓶やお皿などの身近なものだけでなく、工業用の超複雑/精密な木型などもぎっしり並べられていました!
鋳物を作る際は、その原型となる木型の製作がとーっても重要なんだそうです。
こちらのドリンクコーナーでは、錫(すず)100%で出来たタンブラーで、冷水を試飲することができます。
錫(すず)は、熱伝導率が良いため熱がダイレクトに伝わりやすいと言います。
試しに氷水を入れてみたところ・・・、
「うわっ、ナニコレ、超冷たい!」
誇張表現ではなく、本当に氷水の冷たさがダイレクトに伝わってきます。
冷たすぎるので、持っている手が離れてしまうほど。
こんな錫100%でできたぐい呑みで、冷酒を飲むとどんなに美味しいんだろう・・・。
期待は膨らむばかり!
ラボ内には、予約なしで当日楽しめる体験コーナーも用意されていました。
体験内容としては、様々な形の錫の玉にキーチェーンやネックレスチェーンなどをつけて、自分の名前やイニシャルなどを刻印できるものでした。
小さなお子さんや、当日飛び入りでの体験も可能なので、家族旅行の思い出にはピッタリですね!
施設の奥には、今回の鋳物製作体験で利用できる「NOUSAKU LAB」がありました!
6×4人が体験できるスペースが用意されていました。
受付の方に聞いたところ、体験される方で多いのは「家族グループ」や「女子グループ」。
ただ、「特に男性の方はおひとり様でも良く来られていますよ。」とのことなので、一人で行っても安心ですね。
期待で胸が高鳴ります!
体験で製作可能な製品のサンプルが並べられていました。
私たちは一番左側の「ぐい呑み」に挑戦です!
ぐい呑みにも、胴が「シャープなもの」と「ふっくらしているもの」の2種類が選択できます。
シャープなものが製作体験の中では一番難易度が高いそうです。
今回は2種類とも挑戦の予定。頑張ります!
他にも「箸置き」や「昆虫チャーム」、「ペーパーウエイト」といったものがありました。
これらは難易度が低く、特にペーパーウェイトは体験時間も30分と短いのでお子様にもおすすめ!なんだそうです。
そうこうしているうちに体験時間になったので、受付に向かいます。
鋳物製作体験(ぐい呑み)
受付で体験料金を支払うと、エプロンを貸し出してくれます。
曽呂利(そろり)がデザインされた「NOUSAKU LABのピンバッジ」が可愛らしいですね!
エプロンを着けて席に向かうと、今回体験で使う様々なものがセットされていました。
「粘土のまじった赤土」や「ふるい」、型を取るための「木枠」や「ぐい呑み型」などですね。
これらを駆使して、自分で一からぐい呑みを作っていきます!
まずは、錫(すず)を流し込むために必要な「型」を作っていきます。
用意されている木枠の中にぐい呑み型をセット!
「木枠」の中に、「ふるい」を使ってまんべんなく土を入れていきます。
土が大きなかたまりにならないようにするのがポイント!とのこと。
大きなかたまりがあると、そこから空気が入って割れたりひびが入ったりするんだそうです。
土を入れ終えたら、体重をかけて土をぎゅうっと押し込んで、空気を抜きながら固めていきます。
粘土や油分が多く含まれている特殊な土なので、きちんと固まっていくのが楽しい!
なんだか子供のころの「土いじり」の感覚を思い出します。
土を詰め終わったら、木枠から土があふれないよう木の板で綺麗に整えていきます。
こんな感じに綺麗に土を詰めることが出来ました!
何だかビジュアル的には「チョコレートケーキ」を作ってるような・・・w
型は二つ作るのですが、一方には錫(すず)を流し込むための穴を作るためのパイプが埋められています。
パイプを引っこ抜くと・・・こんな感じに仕上がりました!
この穴に、錫(すず)を流し込んでいくんですねー。
楽しみです!
今度は、さきほど埋め込んでいた「ぐい呑み型」を抜く作業をするために木枠をひっくり返します。
ひっくり返すとこんな感じになっており、中に埋まっている型を千枚通しのような工具を使いながら慎重に抜き取っていきます。
「土が崩れてしまうとやり直し!」なので、慎重に取っていきます・・・。
どうにか型を取ることには成功・・・!
錫(すず)を流し込むための通路を含めて、綺麗に型を取ることが出来ました。
ちなみに写真の上にあるのは、もう一つ並行で作っていた型です。
下の枠よりもちょっと小さめに作られていて、組み合わせるとちょうどその間に錫(すず)が流れ込む隙間ができるようになっています。
最後にこの二つの木枠を、木枠の端にあるくぼみ同士を組み合わせて完成させます。
-組み合わせ作業は、緊張のあまり写真撮影するのを忘れてました-
この「組み合わせ作業」が一番難しく、ちょっとでもずれると中が崩れてしまい失敗作になります。
しかも一度組み合わせてしまうと、その後中を確認できないので、錫を流し込んで完成するまで成功か失敗か分からないんだとか。
「ぐい呑み」の難易度が高いのは、山型なのでこの組み合わせの工程が難しいから!なんですね。
ちゃんとできているだろうか・・・、心配です。
次はいよいよ錫を流し込む工程、熱々に溶かされた錫のお出ましです!
錫の融点は「約232℃」、金属の中では「トップクラスに溶けやすい」んです。
ちなみに鉛(なまり)の融点は「約327℃」、鉄は「約1536℃」なので、錫がどれだけ溶けやすいか分かりますよね。
だからこそ、加工しやすい/扱いやすい金属として昔から親しまれてきたんだそうです。
し・か・し、扱いやすいと言っても一般人に「232℃」は超危険!
なので、この錫(すず)を流し込む工程だけは熟練の技術者の方が行ってくれます。
錫が固まらないうちにドドドーっと一気に型に流し込んでいきます!
ちなみに、右側においてあるのは「金の延べ棒」ならぬ「錫の延べ棒」です。
冷えるのを待つ間、職人さんが錫の性質について詳しく教えてくれます。
熱伝導率が良いので、鉄板の上に溶かした錫を乗せてみると・・・、
鉄板が錫の熱をあっという間に吸収しちゃって、ものの数十秒で手に持てるくらいに冷えます。不思議!
上記の写真は溶けているように見えますが、実はこれ、もうこの状態で固まっていて手に持つことができます。
そうこうしているうちに、ぐい呑みが冷えたのでいよいよ型から取り出します!
型を作るのは繊細な作業でしたが、逆に取り出すときは豪快に!
既に中は固まっているので、多少乱暴に型を壊しても全然問題ないんだそうです。
てことで、がしがしと枠を壊していくと出てきました!お手製のぐい呑み!
出来上がりはどうだろうと職人さんにお聞きすると・・・、
「ひびや穴などもなく、とても綺麗に仕上がっていますよ!」とのこと。
やったぜ!
念願のできたてほやほや、「マイぐい呑み」とパシャリ。
は・・・早くこれでお酒を飲みたい!
が、もうちょっとだけ作業は続きます。
出来立てのぐい呑みにつやを出すため、「紙やすり」で表面を削っていきます。
「紙やすり」の目の粗さに応じて輝きが変わっていくので、自分の好みに調整します。
そして、最後に記念の刻印を打ち付けていきます。
こんな感じで刻印できれば、全行程が終了。
形と言いつやといい、本当に想像以上のぐい呑みが出来上がりました!
大満足です!
今回は形の違うぐい呑みを1つづつ作って、合計5000円(2500円/1つ)でした。
スタップの方に伺ったところ、特にぐい呑みは「失敗される方も普通にいる」そうです。
個人的には失敗したらそれはそれで「旅の思い出」としてイイじゃない!と考えていましたので、全行程を自分で行いました。
(まぁ、もし失敗したら多分1か月ほど立ち直れなかったとは思いますがw)
失敗したくない場合は、スタッフさんが難しい工程を手伝ってくれるそうなので申告するのもアリかと思います。
(当然それでも100%成功の保証はありませんが。)
総じて、極上の緊張感を味わえた最高の体験をさせていただきました!
IMONO KITCHEN/カフェ
能作ラボ内には、かなり大きめのカフェ/飲食施設の「NOUSAKU KITCHEN」が併設されています。
近くにコンビニや飲食店がほとんどないため、食事をしたい際はこちらの利用をおすすめします。
全面ガラス張りの開放感のある空間です。
カフェ内には無料のWifiスポットもありましたので、ゆっくりするならもってこいの場所ですね!
緊張感のある作業をした後は「ご褒美の甘いものタイム」だ!
ということで、私たちもこちらのカフェでゆっくりと時間を過ごしながら、製作体験の緊張感をほぐしましたとさ。
おしまい。
予約方法
鋳物製作体験は「事前予約制」です!
予約案内サイト
インターネットでの予約方法
電話番号
FAX番号
0766-63-5510
MAIL
kanko@nousaku.co.jp
能作(NOUSAKU LAB)への行き方/アクセス方法
能作ラボ(NOUSAKU LAB)の最寄り駅は「JR 戸出(といで)駅」ですが、目的地までは約3.5km(徒歩40分程度)、電車の本数も少ないです。
よって「あいの風とやま鉄道/JR 高岡駅」もしくは「北陸新幹線 新高岡駅」の利用をおすすめします。
前提として、基本的には「車」で訪れるべき場所です。
大阪駅からのルート例
①JRの特急「サンダーバード」で「大阪駅」から「金沢駅」へ行き、IRいしかわ鉄道に乗り換え。
②IR石川鉄道で「金沢駅」から「高岡駅」へ。
(大阪駅から高岡駅へは約3時間30分ほどかかります。)
高岡駅から「世界遺産バス」で行く場合
「高岡駅前(北口)バス乗り場⑦」から「世界遺産バス 白川郷行き」に乗車、「能作前」で下車。
乗車時間が短く「能作ラボ」の目の前にバス停がある「世界遺産バス」の利用がおすすめですが、本数は少ないです。
[時刻表]世界遺産バス
バス:世界遺産バス
行先・系統:白川郷行き
乗車バス停:高岡駅前(北口)[乗り場⑦]
降車バス停:能作前
運賃:420円
所要時間:約28分
高岡駅から「加越能バス」で行く場合
「高岡駅前(北口)バス乗り場②」から加越能バス「高岡法科大学前行き」に乗車、「高岡オフィスパーク」で下車。
[時刻表]加越能バス 高岡法科大学前行き
バス:加越能バス
行先・系統:高岡法科大学前行き
乗車バス停:高岡駅前(北口)[乗り場②]
降車バス停:高岡オフィスパーク
運賃:440円
所要時間:約50分
新高岡駅から「世界遺産バス」で行く場合
「新高岡駅前(北口)バス乗り場④」から「世界遺産バス 白川郷行き」に乗車、「能作前」で下車。
乗車時間が短く「能作ラボ」の目の前にバス停がある「世界遺産バス」の利用がおすすめですが、本数は少ないです。
[時刻表]世界遺産バス
バス:世界遺産バス
行先・系統:白川郷行き
乗車バス停:新高岡駅[乗り場④]
降車バス停:能作前
運賃:420円
所要時間:約15分
新高岡駅から「加越能バス」で行く場合
「新高岡駅前バス乗り場③」から加越能バス「高岡法科大学前行き」に乗車、「高岡オフィスパーク」で下車。
[時刻表]加越能バス 高岡法科大学前行き
バス:加越能バス
行先・系統:高岡法科大学前行き
乗車バス停:新高岡駅[乗り場③]
降車バス停:高岡オフィスパーク
運賃:420円
所要時間:約30分
タクシーで行く場合
高岡駅から:約4300円 (約20分)
新高岡駅から:約3500円(約15分)
・タクシー運転手に行き先を告げたい場合
・タクシーを呼びたい場合
[タクシー配車連絡先: 高岡駅周辺]
能作商品の購入方法
ちょっと遠いので行けそうにないけど、能作の製品は欲しい!
という方のために、能作ではオンラインでも購入が可能です。
今回私が作ったぐい呑みに近いものでは、このような感じの商品がありました。
周辺のホテル検索/予約
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いかがでしたか?
それでは楽しい旅を!( *´艸`)